脂肪肝(MASLD MASH)とサイトケラチン18F:肝細胞傷害の新しい指標 event_note2024.12.24脂肪肝とサイトケラチン18Fの測定:肝細胞傷害の新しい指標脂肪肝(MASLDやMASH)では、肝臓の脂肪蓄積だけでなく、肝細胞の傷害や炎症が進行する可能性があります。 その過程を評価するための新しい指標として、**サイトケラチン18F(Cytokeratin 18 Fragment, CK18-F)**の測定が注目されています。 このマーカーの役割や重要性について解説し、脂肪肝の診断や予後管理への活用を考えます。サイトケラチン18Fとは?肝細胞傷害の指標サイトケラチン18(CK18)は、肝細胞や上皮細胞の骨格を構成するタンパク質の一種です。 肝細胞がアポトーシス(細胞死)やネクローシス(壊死)を起こすと、このタンパク質がフラグメント化(CK18-F)し、血中に放出されます。 肝臓の炎症を測る数値として有用です。役割と特性肝細胞の傷害を直接反映 CK18-Fは、肝臓で起こるアポトーシスの進行を直接反映するため、脂肪肝や脂肪肝炎(MASH)の進行度評価に有用です。非侵襲的検査 血液検査で測定可能であり、肝生検の代替や補完として利用されます。サイトケラチン18Fの脂肪肝診断における役割1. MASLDとMASHの鑑別単なる脂肪肝(MASLD)と炎症を伴う脂肪肝(MASH)を鑑別することは、治療方針を決定する上で非常に重要です。CK18-F値が高い場合、肝炎(MASH)の進行や肝線維化のリスクが示唆されます。2. 治療効果のモニタリング治療後のCK18-F値の変化を追跡することで、生活習慣改善や薬物療法の効果を評価できます。3. 肝線維化の予測CK18-F値と他のマーカー(FibroScanのスコアや血中肝酵素値)を組み合わせることで、肝線維化の進行リスクを精密に予測可能です。 他の繊維化マーカーと同時に測定はできないため、各検査に精通した肝臓専門医に検査を依頼しましょう。CK18-F測定の流れ測定方法血液採取 通常の血液検査と同じ手順で採血を行います。特異的ELISA検査 CK18-F値は、酵素免疫測定法(ELISA)を使用して分析されます。結果評価 基準値や患者の病歴に基づき、肝臓専門医が診断します。基準値健常者のCK18-F値は通常低く、脂肪肝炎や肝硬変が進行すると顕著に上昇します。ただし、測定機関ごとに基準値が異なる場合があります。CK18-Fの臨床的意義メリット非侵襲的で安全性が高い 肝生検が必要な場合の患者負担を軽減。早期診断が可能 無症状の段階でも肝炎のリスクを評価可能。限界他の疾患の影響を受ける可能性 例えばウイルス性肝炎など、脂肪肝以外の肝疾患でも上昇することがあります。単独では診断困難 血液検査や画像診断と組み合わせることで精度が向上します。池袋近郊で脂肪肝検査とCK18-F測定を検討するには?池袋周辺の消化器内科肝臓内科クリニックで、脂肪肝の診断に必要な血液検査や画像検査をうけるなら、東長崎駅前内科クリニックへ。 CK18-F測定を希望される場合は、当院に受診ください。 サイトケラチン測定の必要性から判断をいたします。脂肪肝は進行すると深刻な合併症を引き起こす可能性があります。定期的な検査を受け、早期発見・早期治療を目指すことが、健康な生活を維持する鍵となります。当院では他の繊維化マーカーや腹部超音波検査、フィブロスキャンなどを使用して脂肪肝、MASLD、MASH診断治療を行います。併存している糖尿病や脂質異常症などの治療を合わせて行います。ご予約はこちらから。脂肪肝専門外来(アルコール性脂肪肝、非アルコール性脂肪性疾患/NAFLD、非アルコール性脂肪性肝炎/NASH)