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慢性膵炎は、膵臓に炎症が長期間持続することで膵臓の機能が低下していく病気です。慢性膵炎は一度進行すると現在の医学では改善させることができないため、進行させないことが大事です。 膵臓は脂肪を分解する酵素を分泌して消化を助ける機能やインスリンなどのホルモンを分泌して血糖のコントロールをする機能などを持っていますので機能低下が起こるとそれぞれの機能によって様々な症状が出ます。 また膵臓の中に膵石と言われる石ができる事があり、膵石に伴う症状が出ることがあります。 慢性膵炎になってしまうと、腹痛のために満足な食事ができなくなってしまう、下痢で日常生活が困難になる、消化吸収が落ちて体力が落ちるなど、生活にさまざまな影響を及ぼします。
慢性膵炎の原因として一番多いのは飲酒です。長期間に及ぶ大量の飲酒のよって膵臓の炎症が起こり、慢性膵炎が起こります。飲酒による慢性膵炎は40歳から50歳台に多いのも特徴です。 その他にも胆石やストレス、家族性のもの、自己免疫性のもの、原因不明のものなど様々です。でも発症することが知られており、なかには原因がはっきりしない場合もあります。 特殊な膵炎の場合は比較的若い人にも起こりえます
慢性膵炎の症状は炎症による症状と機能低下による症状があります。 炎症による症状で最もよくある症状は繰り返す心窩部痛(みぞおちの痛み)、背部痛です。飲酒後や脂肪分の多い食事をした後に悪化することが特徴的です。 症状の期間は年単位になります(概ね5年前後)ので、数ヶ月・数週間と言う場合は可能性が少なくなります。 症状経過が長いほど膵臓の機能が低下していきます。膵臓が元気なうちは炎症による痛みの症状が強く出ますが、膵臓の機能が低下してくるとかえって炎症は起こりにくくなり痛みの症状が出にくくなります。 慢性膵炎が進行してくると炎症による症状より機能低下による症状が強くなってきます。消化機能が落ちることでの慢性的な下痢、消化不良による体重減少、血糖が上昇することにより糖尿病の発症などがあります。 また慢性膵炎は膵臓がんの発生が通常の方より高率のため、注意が必要です。
慢性膵炎の診断は非常に難しいとされます。慢性膵炎は進行すると改善させることができないので、進行する前の早期の段階(早期慢性膵炎)で診断・治療をすることを目指します。 検査としては採血検査、腹部エコー検査、CT・MRI、超音波内視鏡(EUS)検査などがあります。 採血では膵酵素の測定や栄養状態のチェックをおこいます。 また腹部エコー、CT・MRIなどで膵石の有無や膵臓の萎縮・脂肪化の具合をチェックします。 早期慢性膵炎を診断するために超音波内視鏡(EUS)検査を行う事もあります。腹部エコー検査でも推測することができますが、超音波内視鏡検査の方が診断率は高いと言えます。
飲酒が原因の方は禁酒が必要になります。 痛みの症状がある際は鎮痛薬(場合によっては医療用麻薬を使用)、膵酵素阻害薬や経口栄養剤の内服を行います。 また膵石などの為に内服のみで痛みのコントロールが困難の場合は内視鏡による処置(ERCPによるステント挿入、砕石術など)や外科的手術を行うことがあります。 膵機能が低下してしまった場合は、該当する機能の補充のために消化酵素薬の内服やインスリンの注射などを行います。 慢性膵炎は早期のうちに、早めに治療をすることで進行が止まったり、改善したりすることが徐々にわかってきています。適切な治療を早期に行うことで良好な予後が期待できます。
当院では腹部エコー検査の当日の実施が可能です。採血検査を合わせることで膵臓の状態をチェックできます。またCT・MRIのご紹介、必要に応じ超音波内視鏡検査の実施可能な施設への紹介も可能です。 クリニック開業前に慢性膵炎の患者さんに対する内視鏡処置も行っていましたので、内視鏡処置の必要性の判断も可能です。 慢性膵炎がご心配の方は一度当院へいらしてください。
こちらのブログもご覧ください。 「その腹痛、本当に慢性膵炎ですか?」」 「そもそも慢性膵炎とは?」