【きらきら栄養士通信】肥満症の食事療法について event_note2023.07.23皆さんこんにちは😊梅雨明けも間近となり、これから本格的な夏がやってまいりますがいかがお過ごしでしょうか。 今回は肥満症の食事療法についてお話したいと思います。肥満症の治療には、食事療法、運動療法、行動療法、薬物療法からなる内科治療、外科治療があります。その中でも食事療法は重要な役割を担っています。 【肥満症の食事療法の基本】①エネルギー摂取量の決定まずは減量目標を決め、それに合わせて1日のエネルギー摂取量を決めていきます。日本肥満学会では3〜6ヶ月で3〜5%減量したところ血圧やHbA1c、中性脂肪などの数値が著しく改善したという報告があり、まずは3〜5%の減量を目指すと良いとされています。1日のエネルギー摂取量は25kcal×目標体重(kg)を目安に設定しますが、実際の摂取状況や病状に合わせて調整していきます。 例)体重80kgの肥満症患者が5%減量を目標とした場合のエネルギー摂取量目標体重:80kg×0.95=76kgエネルギー摂取量:25kcal×76kg=1900kcal→4kg痩せるために1日の摂取量を1900kcalにする ②栄養素バランスを整える栄養素のバランスとしてエネルギー摂取量のうち、炭水化物50〜65%、たんぱく質13〜20%、脂質20〜30%となるよう組み合わせます。最近では米飯などの炭水化物を極端に制限する低糖質ダイエットが注目されていますが、長期的な減量効果や身体への安全性は示されていません。3つの栄養素をバランスよく摂ることが大切です。 ③適切な食べ方1)朝昼晩、1日3回バランスよく食べる朝食を抜くなど食事回数が減ると、その分1回の食事量が多くなり、かえって1日のエネルギー摂取量が増加してしまうことがあります。また栄養バランスを整えるには、主食、主菜、副菜のそろった食事を1日2食以上摂るよう心がけましょう。 2)間食、ジュースを控える菓子類は糖質や脂質が多いためエネルギーの摂りすぎにつながります。しかし我慢してストレスになってしまうと過食につながるので、どうしても食べたい場合は小袋のものを選ぶなどして量を調節しましょう。また砂糖入り飲料は血糖値が上昇しやすく、肥満や糖尿病のリスクとなります。水分はお茶や水など甘くない飲み物から摂取しましょう。 3)よく噛んでゆっくり食べる肥満症の方には早食いが多いといわれています。よく噛むことで満腹中枢が刺激され、過食を防ぐことができるので、一口20回以上を目標にゆっくり噛む習慣を身につけましょう。具材を大きめに切るなどして噛む回数を増やすこともおすすめです。 食事療法を実践、継続するためにはこれまでの食習慣からどのような行動が肥満の助長や改善につながっているのかをご自身で実感することが重要となります。当院では栄養指導を通して、お一人お一人の状況に合わせた食事療法のサポートをさせていただきます。気になる方はぜひお気軽にスタッフまでお声がけください。 【管理栄養士による栄養指導】・日時月16:00水16:00木11:00、16:00金16:00土10:00、11:00 ・所要時間 初回30分、2回目以降20分 ・料金(保険3割負担の方)初回780円2回目以降600円 ・予約方法受付や医師にお声がけ下さい ※医師の診察を受けていただき、指導の指示のある方が対象となります。 参考:日本肥満学会『肥満症診療ガイドライン2022』ライフサイエンス出版