糖尿病は放置するとどうなるの? event_note2024.06.25こんにちは。先日はペットボトル症候群のお話をしましたが、今回は糖尿病のお話です。 【糖尿病ってどうしてなるの?】 糖尿病とは、「インスリンの作用が十分でないため、ブドウ糖が有効に使われずに血糖値が普段より高くなっている状態」と定義されます 原因として、高脂肪・高カロリー・食物繊維不足などの食生活や、運動不足、ストレス、睡眠不足、喫煙習慣などの生活習慣の乱れが挙げられます。このような生活習慣の乱れによる糖尿病を“2型糖尿病”と呼び、全ての糖尿病患者の9割以上を占めるとされています。 【もし放置して悪化したらどうなるの?】糖尿病は初期段階では自覚症状がほとんどありませんが、進行すると多飲や頻尿、皮膚のかゆみといった高血糖による症状が現れます。2型糖尿病ではこれらの症状が少しずつ、ゆっくりと現れますが、1型糖尿病では突然症状が現れるという違いがあります。いずれの場合も糖尿病の末期症状には以下のようなものがあります。・尿が出にくくなる ・体のだるさやむくみ ・視力障害(視力低下や失明など) ・狭心症や脳卒中 ・腎臓の機能低下(腎不全による人工透析や腎移植など) ・手足のしびれ ・手足が化膿しやすくなる(潰瘍や壊疽など) 重篤な合併症の代表的なものは「しめじ」と覚えてください。し…神経障害め…目に起こる網膜症じ…腎症 神経障害▶️糖尿病で高血糖の状態が長く持続すると、神経(運動神経・知覚神経・自律神経)に障害が及びます。運動神経が障害されると、眼球を動かすのが不自由になってものが二重に見えるほか、足先が垂れて歩きにくくなるなどの症状が表れます。 知覚神経が障害されると、不快な痛みに悩まされたり、逆に痛みや寒冷を感じにくくなったりします。 自律神経は心身に活動と休息のリズムを与えている神経で、これが障害されると、立ちくらみ・発汗異常・下痢や便秘・消化吸収の異常・排尿異常・インポテンスなどを起こすほか、重症になると昏睡に陥ったり心拍が止まり急死することもあります。糖尿病が悪化すると動脈硬化が進行して足先の血液循環が悪くなり、さらに免疫力の低下が加わって感染による炎症をまねき、足先が壊疽(組織が腐って死ぬこと)を起こすことがあります。しかし同時に神経障害が起きているために苦痛を感じず、壊疽を進行させてしまうことで下肢切断にいたる例も少なくありません。 網膜症▶️網膜には光や色を感じる神経細胞が敷きつめられ、無数の細かい血管が張り巡らされています。血糖が高い状態が長く続くと、網膜の細い血管は少しずつ損傷を受け、変形したりつまったりします。血管がつまると網膜のすみずみまで酸素が行き渡らなくなり、網膜が酸欠状態に陥り、その結果として新しい血管(新生血管)を生やして酸素不足を補おうとします。新生血管はもろいために容易に出血を起こします。また、出血すると網膜にかさぶたのような膜(増殖組織)が張ってきて、これが原因で網膜剥離を起こすことがあります。糖尿病性の網膜症は、成人の失明原因の上位に入っています。 腎症▶️腎臓の機能が落ちてくると、早期の段階では無症状ですが、進行するとからだの余分な水分や老廃物を尿としてからだの外に排泄する機能が弱まることで、からだがむくんだり、気分が悪くなったりするなどのさまざまな症状を引きおこします。また貧血をおこすなど、さらなる合併症を引きおこすことがあります。 「糖尿病は完治することはできない」といわれていますが、早い段階で糖尿病であることを発見し、血糖コントロールなどの治療を始めることで合併症や症状の悪化を防ぐことにつながります。少しでもおかしいと思うことがあれば自己判断せず、医師に相談することが大切になります。診察はこちらからネット予約も可能です!直近の健康診断の結果などもあれば是非お持ちくださいね☺