今回は糖尿病の食事療法についてのお話です。糖尿病では血糖値を上手にコントロールすることが大切になります。
そのためには「食事」と「運動」が必須になりますが、重要なのは毎日の食事管理です。上手に付き合うことで、合併症を防ぎ、自分に合った食事量を調節しながら食事を楽しむことができます。
〇適正体重を維持するための適切なエネルギー摂取量を見直してみましょう!
今の体重が標準体重より大幅に重たい場合には今の体重から3~5%の削減を目指しましょう。
※75歳以上の高齢者においてはフレイル予防などの観点を考慮する必要があります。
標準体重とは
「統計上、肥満と関係性のある脂質異常症や高血圧・糖尿病などの病気が最も発生しにくい体重」とされています。
標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
目標体重の目安
65歳未満:(身長(m)2)×22
65歳~74歳:(身長(m)2)×22~25
75歳以上:(身長(m)2)×22~25
身体活動レベルとエネルギー係数(kcal/kg)
①軽い労作(大部分がデスクワークなど座位の静的活動):25~30
②普通の労作(座位中心だが通勤・家事・軽い運動を含む):30~35
③重たい労作(力仕事・活発な運動習慣がある):35~
総エネルギー摂取量(kcal/日)=目標体重×エネルギー係数(kcal/kg)
糖尿病の食事療法のコツ
①ゆっくり、よく噛む
②3食規則正しく
③バランスよく食べる
④腹八分目で終える
⑤夜遅くや、寝る前に食べない
⑥食物繊維が多い食品を積極的に取り入れる
また、適切なエネルギー量の範囲内で、バランスの良い食事をとるために参考になるのが、「糖尿病食事療法のための食品交換表」です。食品交換表では、私たちが日常食べている食品を、多く含まれている栄養素によって、6つの食品グループと調味量に分けて、80kcal(1単位)のエネルギーを含む食品の重量を掲載しています。食品交換表を活用することで、日々の献立作りの幅が広がります。
食品交換表のステップ
1:1日のエネルギーを単位に変換する
1日の指示エネルギー量 kcal ⇒ 1日の指示単位 単位
・1日の必要エネルギー量、または指示エネルギー量を80で割る
(例) 指示エネルギー1600kcalの場合=1600÷80=20 20単位
2:表ごとに単位を振り分ける
3:3食に分配する
食品交換表を使うメリット
・どの食品も1単位が80kcalなので、エネルギー計算が簡単!
・同じ表(グループ)の食品は交換できるため、献立が立てやすい!
・栄養素ごとに表になっているのでバランスがとりやすい!
ここにも注目!
外食や中食のときには‥‥
主食、主菜、副菜のそろった定食がお勧め!丼ものや麺類などの単品メニューのときは、具沢山のものを選んだり、野菜を使った小鉢をプラスしてバランスよく摂取しましょう。
甘いお菓子は控えめに‥‥
間食はエネルギーオーバーや血糖値が上がる原因になるので、1日200kcal以内にとどめ、適正エネルギー量内に収まるようにするのが基本です。おすすめは、果物、牛乳、乳製品。
飲酒は適量を目安に‥‥
1日の適正な飲酒量は、純アルコール20gです。ただし、女性はアルコールの分解速度が遅く、影響を受けやすいため、10g程度が推奨されています。
最後に‥‥
毎日、続けてこそ効果が出ます。糖尿病と付き合うには自分に合ったエネルギー量の食事をとることが大切です。また、長く続けるために、完璧を目指しすぎず、調理法や食品を変えたり、血糖値をコントロールする食べ方を工夫したりと自分に合った食事法を見つけることが重要です。一人一人に合った食事内容を当院の管理栄養士が全力でサポートさせて頂きます!
【管理栄養士による栄養指導】
・日時
月16:00
水16:00
木11:00、16:00
金16:00
土10:00、11:00
・所要時間
初回30分、2回目以降20分
・料金(保険3割負担の方)
初回780円
2回目以降600円
・予約方法
受付や医師にお声がけ下さい
※医師の診察を受けていただき、指導の指示のある方が対象となります。気になる方はスタッフまでお声がけください。