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胃がんについて~どのような方が検査を受けたほうが良いのか~

バレーボールの日本代表として活躍している藤井直伸選手が、ステージ4の胃がんと診断されたことを公表されました。

胃がんに関してのブログ第2弾です。

 

~どの様な方が検査を受けたほうが良いのか?~

 

その前に実際何の検査を受けるのがよいのでしょうか?

胃のバリウム検査でしょうか?

採血検査での腫瘍マーカーでしょうか?

腹部CTなどの画像検査でしょうか?

腹部超音波検査でしょうか?

勿論上記が有効な場合もありますが、早期発見・早期治療を目指した場合は、

 

胃カメラ(上部消化管内視鏡検査、胃内視鏡検査)の1択です。

とにかく胃を実際直接見るのが一番なので、胃カメラ検査を実施が望ましいです。

 

つまり今回のブログを言い換えると

「胃がんの早期発見・早期治療のためにどの様なかたが胃カメラ検査を受けたほうが良いのか?」

になります。

注意をまず先にお伝えしますが、今回お伝えするのは症状のない方に関してです。

症状のある方に関してはまた別途記載をさせていただきます。

 

 

①ピロリ菌除菌を過去にされた方

過去にピロリ菌除菌を完了された方で、除菌後は胃癌にならないと思っている方がいます。

これは大きな間違いで、ピロリ菌除菌までの状況にもよりますが、除菌後もピロリ菌による慢性炎症の傷跡がのこります。

この傷の事を「萎縮性胃炎」と呼びます。

萎縮性胃炎のある方は、その傷跡の部分より胃がんが発生することがあります。

いわゆる「除菌後胃がん」です。

除菌後10年経って胃がんを発症した患者さんを院長個人も経験しています。

除菌前の状況によりますが、ピロリ菌除菌を行った方は必ず1-2年に1回は胃カメラ検査をお受け下さい。

 

 

②ピロリ菌除菌をしたが、その後除菌を判定が出来ていない方

ピロリ菌除菌の内服をした後に、除菌完了を確認できていない方がいます。

当院に検査にいらっしゃる方でも相当数おられます。

このような方はピロリ菌除菌が失敗しているケースもあり、胃カメラ検査および除菌の確認検査は必須です。

除菌が出来ていない場合は除菌を行うことで胃がん発生のリスク軽減が見込めます。

また除菌できていた場合でも上記の「除菌後胃がん」のスクリーニングが必要になります。

 

 

➂過去の健診の胃バリウム検査、胃カメラ検査などで要精密検査指示された方

健康診断での胃バリウム検査、胃カメラ検査なので要精密検査を指示を受けていても放置をされている方がいます。

この方は要注意です。

かならず近いうちに胃カメラ検査をうけましょう。折角の健診の意味がなくなってしまいます。

その一方で要精密検査ではなく、経過観察(無症状であれば概ね1年後に再検査を)と書かれている場合は、

無症状であれば問題ないケースが多いです。

もしご心配があればご相談ください。

 

④自治体の胃カメラ健診が受けられる方

各自治体で胃がん健診の一環で胃カメラ検査を受けられる場合あります。

当院が位置する東京都豊島区では、満50歳以上の方で偶数年齢になる年度に胃カメラ検査を受けることができます。

つまり2年に1回胃カメラ検査が受けられます。

自治体の費用で胃カメラ検査を受けることができるので、受けない理由がありません。

 

健診で胃カメラ検査を受けていただき、初めてピロリ菌の感染を指摘されるケースも多くあります。

そのような方はピロリ菌に関連した胃がんのリスクが存在しますので、定期的な胃カメラ検査およびピロリ菌除菌をお願いをしています。

 

ではピロリ菌がいない方の場合は、健診を受ける必要はないのでしょうか?

答えはNOです。

ピロリ菌がいない方でも胃がんが発生する可能性が少なからずあります。

「胃底腺型胃がん」、「ラズベリー型胃がん」、「胃食道接合部がん」などがそれにあたります。

実際の数は多くはありませんが、知らないと発見できない胃がんです。

 

また今回言及していませんが、食道がん、十二指腸がんなどもありますので、健診が受けられる方は是非受けてください。

豊島区では50歳以上の方が約10万人いらっしゃいます。その中で胃カメラ健診に該当する方は約5万人ですが、

実際の胃カメラ健診をお受けいただけている方は、10分の1程度にとどまっています。

他の病院で受けていらっしゃる方もいると思いますが、かなりの方が検査を受けていない状態です。

3月まで胃カメラ健診を受けることができますので、是非お受け下さい。

当院の胃カメラに関してはこちらをご参照ください。

 

⑤ご家族(特にご両親のどちらか)に胃がんの患者さんがいる方

ご家族に胃がんの方がいらっしゃる場合は、胃癌の発生リスクがやや高いことが知られています。

胃がんのリスクが高くなるのでは?と思われる遺伝子の報告はありますが、今だ研究の域を出ていません。

ただ遺伝をすると言うよりは、ピロリ菌感染が親族内に集まりやすいことや、生活習慣が同じになりやすいことなどが原因に考えられます。

実際検査を行う時は、保険適応になるかどうか、などの問題はありますが、

ご家族で胃がんのかたがいらっしゃる場合は検査を検討してみても良いと考えます。

 

上記に該当しない方が胃カメラ検査を受ける必要がないとは言えません。

状況に応じ各個人で人間ドックなどを活用してみるのも良いと考えます。

胃がんは検査により早期発見早期治療がしやすい疾患です。

当院でも自費での胃カメラ検査を受けることができます。

症状もないし、上記に該当しないけれど心配なので検査をしたいという方は自費での検査もご検討下さい。

自費の場合は検査内容にもよりますが15000円-20000円程度になります。

積極的にご活用ください。

 

当院では胃がんの早期発見のために胃カメラ検査を積極的に行っています。

ホームページからの検査予約も可能です。

過去に胃カメラ検査で辛い思いをされた方も当院では問題なくお受けいただいております。

全身麻酔での検査も可能ですし、妊活中・授乳中の方の場合は局所麻酔のみでの検査も可能です。

詳しくはこちらからご覧ください。

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