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便潜血検査は毎年やった方がいいでしょうか?昨年も大腸カメラやったのですが・・・

便潜血検査(健診での検便検査)は毎年行うべきなのでしょうか?

健康診断で便潜血検査を年々受けている人は多いでしょう。

当クリニックにも、毎年この検査の結果をもって消化器内視鏡外来を受診される方が多くいらっしゃいます。

「昨年、便潜血検査で陽性が出たので大腸カメラを受けましたが、何も問題がなかった。それなのに、今年も便潜血検査で陽性が出ました…」

このような話はよく耳にします。

 

便潜血検査が陽性の場合、必ず毎年でも大腸カメラを受けるべきか・・・?

答えは「いいえ」です。
ただし、見た目で分かる血便や強い腹痛、便秘などの症状がない場合に限ります。

 

便潜血検査の目的は、当然のことながら大腸癌(直腸がん、結腸癌など)の早期発見をして大腸癌の治療につなげることです。
大腸カメラの経験がない方が便潜血検査で陽性となった場合、大腸癌の可能性があるため、症状がなくても大腸カメラは必須です。
しかし、既に大腸カメラで異常がないと確認されている場合、その必要はありません。

 

大腸カメラは何年に一度受けるべきか?

大腸カメラで全く異常のないかたは、一般的な大腸癌を見つけるための大腸カメラは約4-5年に一度で問題ないと考えられます。
したがって、昨年消化器・内視鏡専門医の大腸カメラ検査をうけて、異常がなかった方は、今年の便潜血検査で陽性でも、大腸癌のリスクは低いと言えます。
例外として大腸カメラの前処置(下剤を用いて腸の中をきれいする大腸カメラ前の処置)で腸が綺麗にならず、一部見にくかった方や腹部手術後で癒着などの為に大腸の中が見にくいなどの方は異常がなくても近い時期に大腸カメラをお願いすることが有ります。

 

大腸ポリープや早期大腸癌やそのほかの腫瘍を以前に切除された方は、その状態に応じて1-4年ごとに再検査をおすすめします。
しかし大腸がん以外の珍しい悪性腫瘍や大腸癌以外の炎症性の病気(潰瘍性大腸炎、クローン病など)も含めたものを気にされる場合は毎年実施が良いかもしれません。

 

次の大腸カメラはいつ受けるべきか?

検査後に医師から次回の検査時期についての指示があります。
症状がある場合は別ですが、無症状の場合、次回の大腸カメラは決まった時期に受けることが一般的です。

 

便潜血検査のまとめ

無症状の方は、次回の大腸カメラの時期を担当医に確認しましょう。
症状がある方は、消化器内科で診察を受け、大腸カメラの必要性について医師の意見を求めてください。

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検便(便潜血検査)で陽性になったら?

著者
東長崎駅前内科クリニック 院長 吉良文孝
資格
日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会
経歴
平成15年 東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年 東京警察病院
平成23年 JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年 株式会社サイキンソーCMEO
平成30年 東長崎駅前内科クリニック開院
 
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