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ピロリ菌を除菌したのに健診でピロリ菌陽性って再感染・・・?

ピロリ菌再感染??

ヘリコバクターピロリ菌を除菌をされた方が、健康診断で再度ピロリ菌が陽性になったと当院に相談に来られることが多くあります。

ピロリ菌に再度感染したのでしょうか?と質問されます。

しかしほとんどの場合は再感染しておらす、ピロリ菌除菌ができています。

 

なぜ再度ピロリ菌陽性になるの?

健康診断でピロリ菌の検査をする場合は、ほとんどのケースで血液検査でのヘリコバクターピロリIgG抗体測定です。

この抗体というのは、過去に感染があった際に人間の防御反応として生成される物質です。

そのため過去の感染を反映しているという事になります。

つまり過去にピロリ菌に感染していた方はヘリコバクターピロリIgG抗体が陽性・・・つまりピロリ菌陽性と判断されてしまうことがあります。

 

私は除菌後のピロリ菌抗体陰性でしたけど・・・

IgG抗体は感染がなくなると徐々に低下していきます。

つまりピロリ菌除菌が終了すると、時間経過で徐々に低下をするのです。

そのためピロリ菌除菌成功の判定に使う事もできます。

一定の基準はありますが、ピロリ菌抗体がある程度へったら除菌成功という事です。

殆ど方は除菌後のピロリ菌抗体が低下し、陰性になりますが

除菌後すぐの方や一部の方は陽性のままであったりします。

 

除菌後にピロリ菌抗体が陽性になったとしても放置でよいでしょうか?

必ずしも放置で良いとは言えません。

除菌が成功していると判定された方でも実はピロリ菌除菌失敗しているケース、ピロリ菌再感染のケースがあるからです。

そのことを考えると除菌後のピロリ菌抗体検査は有用なのでしょうか?

答えはNoです。

何故ならば除菌をした方は胃カメラ検査の毎年のフォローをお願いしているからです。

 

胃カメラ検査検査フォローしていればピロリ菌検査はいらないでしょうか?

もともとは胃カメラ検査でピロリ菌を見つけていた経緯があるので、
内視鏡専門医、消化器内科専門医であれば、胃カメラでピロリ菌が居そうかどうかは判断することができます。

健診でのピロリ菌抗体の陽性の有無はあまり重要ではありません。

年に1回の胃カメラ検査でピロリ菌が残っていそうか、再感染していそうか・・・が判断できるのです。

ピロリ菌抗体検査より年に1回の胃カメラ検査を受けることが最も大事です。

 

そもそも除菌後の胃カメラ検査ってなんで受けるの?

ピロリ菌除菌後の胃カメラ検査の意味は、ピロリ菌の再発見・・・ではありません。

除菌後胃がんの発見が目的です。

ピロリ菌除菌後は「胃癌にならない」のではなく、「胃がんになりにくくなる」です。

そのため除菌後も定期的な胃カメラ検査が必要です。

せっかくピロリ菌を除菌しても除菌後胃がんが発見できなければ本末転倒です。

除菌後の胃カメラ検査の継続は非常に重要です。院長の経験でも除菌後10年経って胃がんが発見された方もいます。

 

ピロリ菌除菌後の抗体陽性の結論

ピロリ菌検査の継続より胃カメラ検査の継続の方がはるかに大事です!!

必ず消化器専門医、内視鏡専門医での胃カメラ検査を実施しましょう。

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著者
東長崎駅前内科クリニック 院長 吉良文孝
資格
日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会
経歴
平成15年 東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年 東京警察病院
平成23年 JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年 株式会社サイキンソーCMEO
平成30年 東長崎駅前内科クリニック開院
 

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