胃ポリープは、胃の粘膜に発生する腫瘍性の病変で、その種類によって治療方針が異なります。
本記事では、胃ポリープの種類ごとの特徴、原因、診断方法、治療の必要性について解説します。
胃ポリープとは?
胃ポリープは胃粘膜にできる隆起性病変で、多くの場合、胃バリウム検査や胃カメラ検査で無症状で発見されることが多いです。
大きく分けると悪性化のリスクがあるものと悪性化のリスクの少ないものに分類されます。それぞれの種類について詳しく見ていきましょう。
胃ポリープの主な種類
1. 胃底腺ポリープ(Fundic Gland Polyp)
特徴
- 主に胃の上部(胃底部)に発生する良性のポリープです。
- 数ミリメートル程度の小さな病変で、通常は無症状で、多発することが多いです。
- 胃酸分泌を抑える薬剤(プロトンポンプ阻害薬:PPI)の長期使用が原因となる場合があります。
- 健康診断や胃カメラ検査などで一番よく発見されるポリープです
悪性化リスク
- 通常、悪性化のリスクは非常に低いですが、家族性大腸腺腫症(FAP)の患者では注意が必要です。
治療法
- 基本的に治療は不要ですが、大きなポリープや形状が疑わしい場合は切除されることがあります。
2. 過形成性ポリープ(Hyperplastic Polyp)
特徴
- 胃のあらゆる部位に発生しやすい良性のポリープです。
- 粘膜の過剰な再生(過形成)によって形成されます。
- ピロリ菌感染が原因となることが多く、ピロリ菌除菌後に消失する場合もあります。
悪性化リスク
- 過形成性ポリープは基本的に良性ですが、大きなポリープや炎症が持続している場合は悪性化する可能性があります。
- 2cmを超えてくるようなものは胃がんになるリスクが有ります。
治療法
- ピロリ菌感染が確認された場合は除菌治療を行います。
- 悪性化が疑われる場合やポリープが大きい場合は内視鏡による切除を検討します。
3. 胃腺腫(Gastric Adenoma)
特徴
- 腫瘍性ポリープであり、悪性化のリスクが比較的高いとされています。
- 高齢者に多く、胃の下部に発生しやすい傾向があります。
悪性化リスク
- 胃腺腫は胃がんの前段階とされるため、早期発見・早期治療が重要です。
治療法
- 基本的にESDなどの内視鏡的切除が推奨されます。
- 病理検査を通じてがんの有無を確認します。
胃ポリープの診断と治療
診断方法
- 胃カメラ検査:ポリープの形状やサイズを詳細に確認できます。
- 生検(組織検査):必要に応じてポリープの一部を採取し、病理検査で悪性かどうかを判断します。
- ピロリ菌検査:過形成性ポリープがある場合はピロリ菌感染の有無を調べます。
治療の必要性
- 良性で症状がない場合、多くは経過観察が推奨されます。
- 悪性化の可能性がある場合や症状がある場合は、内視鏡的切除が行われます。
胃ポリープは種類によって特徴やリスクが異なるため、定期的な検査と適切な管理が必要です。
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