目次
睡眠時無呼吸症候群(SAS)症状チェックリスト
次の項目について、当てはまるものにチェックを入れてください。
1. 睡眠中の症状
- 大きないびきをかくと言われる
- 睡眠中に呼吸が止まると言われる
- 睡眠中に突然目が覚めることがある
- 寝汗をよくかく
- 不安定な寝姿勢、寝返りが多い
2. 日中の症状
- 日中に強い眠気を感じる
- 集中力が続かない
- 頭痛(特に朝起きた時)がある
- 起床時に疲労感や倦怠感を感じる
- 仕事中や運転中に居眠りをしてしまう
3. その他の関連症状
- 口や喉が乾きやすい(特に朝起きた時)
- 記憶力や判断力の低下を感じる
- 夜間頻尿がある
- 体重が増えやすい
- 血圧が高い(または高血圧の診断を受けている)
結果の確認
- チェックが 3つ以上 当てはまる場合:
睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。一度当院に相談することをお勧めします。 - チェックが 5つ以上 当てはまる場合:
高リスクの可能性があります。早急に診察を受けてください。
その他に以下の要素のある方も要注意です。
体格指数(BMI)が35kg/㎡以上
年齢が50歳以上
首周りのサイズ、ノドボトケの位置で計測した顎周囲が40cm以上
男性
当院で睡眠時無呼吸の検査と治療が実施可能です。
当院では睡眠時無呼吸症候群の検査と治療が実施できます。
以下の様な方は睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
- いびきがうるさいと言われる
- 寝ても寝た気がしない
- 翌日昼に眠くなる
- 運動しているのになかなか痩せない
- 生活習慣病が多数あり、BMIが高め
睡眠時無呼吸症候群を治療することで、詳細の血管系のリスクの低減につながります。
また日中の調子がよくなり、仕事などのパフォーマンスが上昇します。
通常泊りでで検査を実施している睡眠時無呼吸症候群の検査(終夜ポリグラフィー検査)を外来で実施できます。
また治療開始後はオンライン診療を積極的に活用することで実質の通院回数軽減に努めております。
通院回数を減らせるので、他院からの転院の方や遠方の方の受診もあります。
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群とは?
睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea)とは睡眠中に呼吸が一時的にとまってしま状態が繰り返される疾患です。
睡眠時無呼吸には呼吸のとまる原因によってタイプがありますが、最も一般的なのは閉塞性睡眠時無呼吸(OSA: Obstructive Sleep Apnea)です。
閉塞性睡眠時無呼吸:
睡眠中に空気の通り道である気道が一部または完全に塞がれることで呼吸に影響が出ます。呼吸が一時的に停止または浅くなることで、睡眠の質が低下し、それによって全身的にストレスを与え種々の合併症が発生します。
肥満体系の方の多いのが特徴です。
男性の10人に3人以上、女性の5人に1人近くがこの疾患になっていると言われています。
中枢性睡眠時無呼吸(CSA: Central Sleep Apnea):
呼吸の際に、人間の脳から呼吸をする命令が全身に出され、それによって呼吸をしています。
中枢性睡眠時無呼吸では、脳からの呼吸筋への命令を送る機能が低下しているため、呼吸に影響が出ます。
混合型睡眠時無呼吸:
閉塞性睡眠時無呼吸と中枢型睡眠時無呼吸が組み合わさったものです。頻度的にはさほど多くありませんが、中枢性より多いです。
睡眠時無呼吸の症状
①いびき:多くの場合、非常に大きな音のいびきをかくことがあります。閉塞型の場合に顕著です。
②呼吸の停止:睡眠中に呼吸が何度も一時的に停止します。中枢型要素が強い程顕著になります。
➂昼間の過度の眠気:無意識に夜間の睡眠が中断されているため、睡眠不足に陥り昼間に強い眠気があらわれます。
④集中力の低下:睡眠の質の低下が原因で、昼間の集中力が低下することがあります。
⑤頭痛:朝起きた時に頭痛を感じることがあります。
睡眠時無呼吸症候群の合併症
主な合併症は薬剤抵抗性高血圧(83%)、心不全(51%)・不整脈(49%)・冠動脈疾患(31%)などの循環器疾患、糖尿病(23%)、脂肪肝になります。
①薬剤抵抗性高血圧:
睡眠時無呼吸は、夜間の頻繁な覚醒が原因で体のストレスレベルを高め、長期的には高血圧を引き起こす可能性があります。
睡眠時無呼吸の無い高血圧の患者さんに比べると降圧剤の反応が悪い傾向があります。
睡眠中に係るストレスの影響と考えられます。
②心臓病:
この状態は心筋梗塞や心不全のリスクを高めることが知られています。呼吸の停止は心臓に対しても大きな負担をかけるため、心臓病のリスクが増加します。
心房細動という不整脈において睡眠時無呼吸の有無で2~4倍の発症率の差があります。
また睡眠時無呼吸の重症度に相関して動脈硬化が進行し、虚血性心疾患のリスクが高まることが分かっています。
➂脳卒中:
虚血性心疾患と同じる理由により、睡眠時無呼吸は脳への血流障害を引き起こすことがあり、脳卒中のリスクを高める可能性があります。
④糖尿病:
睡眠時無呼吸はインスリン抵抗性の増加に関連しているため、2型糖尿病の発症リスクも高まります。
交感神経の興奮がインスリン抵抗性の増大に寄与しているのではと言われています。
⑤肥満:
睡眠時無呼吸は肥満と密接に関連していますが、肥満はさらにこの状態の症状を悪化させる可能性があります。
昼間の機能障害: 睡眠障害は、日中の眠気や集中力の低下を引き起こし、職場でのパフォーマンス低下や交通事故のリスクを高めることがあります。
⑥気分障害:
不十分な睡眠はイライラやうつ病のリスクを高めることがあります。
⑦脂肪肝:
閉塞性睡眠時無呼吸は肥満,メタボリックシンドロームと密接に相関していることが分かっています。
そのなかで近年,非アルコール性脂肪肝(NAFLD)・非アルコール性脂肪肝炎(NASH)との関連も明らかになってきており、NASHの治療の際に睡眠時無呼吸が併存していると改善が悪い傾向があり、睡眠時無呼吸の治療そのもののNASHにつながるのではと考えられています。
当院は肝臓に力を入れており、特にNASH、NAFLDの治療を積極的に行っています。肝臓のみならず全身トータルに治療をすることがNASHには非常に重要ですので、当院では積極的に睡眠時無呼吸の検査治療を行っています。
睡眠時無呼吸症候群の検査方法
- 問診 患者の生活習慣、いびきや日中の眠気の有無などを詳しく確認します。
- 身体診察 肥満度(BMI)や気道の狭さをチェックします。
- 簡易検査 自宅で簡易装置を用いて睡眠時のデータを収集します。
- 精密検査 簡易検査で異常が見られる場合、さらに自宅での精密検査を行います。
睡眠時無呼吸症候群の検査とは
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が停止または低下する状態を指します。
この疾患は放置すると高血圧や心血管疾患、糖尿病などの合併症を引き起こす可能性があるため、早期発見と治療が重要です。
ここでは、睡眠時無呼吸症候群の検査方法について詳しく解説します。
1. 事前問診
まずは睡眠時無呼吸症候群の可能性があるかどうかお話を伺います。
生活習慣病の有無、倦怠感やいびきの指摘、骨格などを判断して検査のおすすめをします。
当院の場合ですと、脂肪肝の方・逆流性食道炎の方・胃カメラ大腸カメラなど内視鏡検査での麻酔時に睡眠時無呼吸症候群をい疑う方へ検査をお勧めするケースが増えています。
そのほかご自身やご家族の指摘で受診をされています。
1. 簡易スクリーニング検査(簡易ポリソムノグラフィー:簡易PSG)
簡易検査は、主に自宅で行える検査方法です。
睡眠時無呼吸症候群の疑いがある患者に対して、最初のスクリーニングとして行われます。この検査では、以下の項目を測定します。
- 酸素飽和度(SpO2): 血液中の酸素レベルを測定します。無呼吸や低呼吸が発生すると酸素飽和度が低下することがあります。
- 気流の測定: 鼻や口からの呼吸の流れをセンサーで確認します。
- 体位: 睡眠中の体位変化を記録し、体位による無呼吸の発生頻度を評価します。
- 脈拍: 心拍数の変動から無呼吸の影響を確認します。
簡易検査の場合には、自宅に検査キットが届きますので、ご自身で装着して一晩お休みください。
翌日にキットをはずして検査会社に返送して検査は終了です。
後日当院に結果が届きますので、結果が届き次第連絡させていただきます。
簡易検査は負担が少なく、睡眠時無呼吸症候群の疑いを強くする情報を得ることができます。
簡易検査のみで治療適応が判断できるケースもありますが、一部精密検査が必要な方もいらっしゃいます。
ただし、重症度や合併症の詳細を判断するためには、より精密な検査が必要です。
2. 精密検査(フルポリソムノグラフィー:フルPSG)
精密検査は、従来は医療機関の専用施設で入院形式行われていた睡眠時無呼吸症候群を確定診断するための標準的な方法です。
この検査では、以下のような多くの項目を同時に測定します。
- 脳波(EEG): 睡眠の深さや段階を測定します。
- 眼球運動(EOG): 睡眠中の眼球の動きを記録し、睡眠段階を評価します。
- 筋電図(EMG): 筋肉の動きを測定し、無呼吸や覚醒時の筋緊張を評価します。
- 気道の流れ: 鼻や口からの気流を高精度に記録します。
- 胸部と腹部の動き: 呼吸運動を確認し、閉塞性無呼吸か中枢性無呼吸かを判断します。
- 血中酸素飽和度(SpO2): 酸素の供給状態を正確に把握します。
この検査は、以前は専用の睡眠ラボで1晩過ごして行う必要がありますが、当院では自宅での検査が可能になりました。無呼吸の原因や重症度、治療方針の決定に不可欠です。
簡易PSGと同様にご自宅に検査キットが届きますので、ご自身で装着してお休みください。
翌日にキットをはずして検査会社に返送して検査は終了です。
後日当院に結果が届きますので、結果が届き次第連絡させていただきます。
PSG検査キットの装着方法は内部に記載があり、簡単に実施できます。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療方法
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に呼吸が一時的に停止または低下する疾患であり、適切な治療を受けないと高血圧や心血管疾患、糖尿病、脳卒中などのリスクが高まります。治療方法は、患者の症状や重症度に応じて選択されます。ここでは、睡眠時無呼吸症候群の主な治療法について解説します。
睡眠時無呼吸症候群におけるCPAP療法
CPAP療法(Continuous Positive Airway Pressure)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)における最も一般的で効果的な治療法です。
特に、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)に対して高い有効性を持ち、患者の生活の質を大幅に向上させることができます。以下では、CPAP療法の仕組み、適応、使用方法、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
CPAP療法の仕組み
CPAP療法は、患者が就寝中に専用の装置を使用して気道内に一定の空気圧を送り込み、気道が閉塞するのを防ぎます。以下のように機能します:
空気圧の送付: CPAP装置は鼻または口を覆うマスクを介して空気を送り込みます。現在は鼻マスクが主流です
気道の拡張: 空気圧が軟口蓋や舌根を押し広げ、気道を開いた状態に保つことで無呼吸を予防します。
睡眠の改善: 無呼吸や低呼吸が解消されることで、睡眠の質が向上し、日中の眠気が軽減されます。
近年のCPAP装置は小型化が進み持ち運びも容易になりました。
また睡眠に関するベータが常に蓄積され、当院のデータベースに保存されるため、来院時にCPAP使用状況、睡眠状況の把握が可能になります。
適応となる患者
- 中等症から重症のOSA患者(フルPSGで無呼吸低呼吸指数(AHI)が30以上、簡易PSGでREI40以上)。
- 軽症のOSA患者であっても、日中の過度な眠気や高血圧、心血管疾患を有する場合。
- 肥満や首周りの太さがOSAの要因と考えられる場合。
適応外のケース
- 気道閉塞が構造的な問題(例:大きな扁桃腺)に起因する場合には、外科的治療が必要なことがあります。
CPAP療法の使用方法
装置の選択: 医師の指導のもと、患者に合った装置を選びます。一般的な構成は以下の通り:
- マスク(鼻マスク、フルフェイスマスクなど)
- CPAP本体
- 必要に応じ加湿器(乾燥や鼻詰まりを防ぐため)
装着と調整:
- 寝る前にマスクを装着し、空気圧を調整します。
- 初期段階では圧力が低い状態から始め、患者が慣れるにつれて適正圧に調整されます。
使用時間:
- 毎晩、就寝中の数時間以上使用することが推奨されます。
- 使用時間が短いと、治療効果が十分に得られない可能性があります。
定期的なメンテナンス:
- マスクやチューブの清掃、フィルターの交換を定期的に行います。
CPAP療法のメリット
- 高い効果: CPAP装置の装着が問題ない場合に無呼吸エピソードをほぼ完全に解消し、睡眠の質を向上させます。
- 合併症リスクの低減: 高血圧や心血管疾患、糖尿病、食道炎などのリスクを低減します。近年は脂肪肝との関連も示唆されています。
- 迅速な改善: 治療を開始してすぐに症状改善を実感できることが多いです。
CPAP療法のデメリット
- 装置の違和感: マスク装着に慣れるまで不快感を感じる場合があります。マスクの調整で対応をします。
- 乾燥や鼻詰まり: 空気の流れによる副作用が出ることがあります。加湿器などのオプションで対応します。
- 継続性の課題: 使用を中断すると症状が再発するため、治療の継続が重要です。
- 治療そのものによる害はなく、CPAP装置を上手に使用できるか、自身の体に合うかどうかが重要になります。
CPAP療法の効果に関する研究
Weaver, T. E., & Grunstein, R. R. (2008). Adherence to continuous positive airway pressure therapy: the challenge to effective treatment. Proceedings of the American Thoracic Society.
この研究は、CPAP療法がOSA患者における睡眠の質向上に有効である一方、患者が治療を継続するための支援が必要であることを指摘しています。Young, T., Evans, L., Finn, L., & Palta, M. (1997). Estimation of the clinically diagnosed proportion of sleep apnea syndrome in middle-aged men and women. Sleep.
CPAP療法が未診断のOSA患者にも適用可能であり、広範囲の人口における治療効果が期待されることを示しています。
CPAP療法の費用について
CPAP療法(持続陽圧呼吸療法)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療において非常に有効な方法です。日本では保険適用が可能で、患者の自己負担額は治療の継続により異なります。以下に、CPAP療法にかかる費用の目安を解説します。
初診時の費用
- 診察費用:初回診察時には問診、身体検査、必要に応じて採血、簡易PSG検査が行われます。
- ポリソムノグラフィー(PSG):精密検査(PSG)を受ける場合、検査費用のみで簡易PSGは保険適用でおよそ4000円(3割負担の場合)が目安です。フルPSG検査の場合はおよそ12000円(3割負担の場合)程度かかります。
CPAP装置のレンタル費用
日本ではCPAP装置は購入ではなく、レンタル形式で提供されます。
- CPAP療法は継続的な治療であるため、月に1回の診察と装置のレンタル費用が必要です。
- 保険適用時、月額の自己負担額はおおよそ診察代、検査費用あわせて5,000~6,000円(3割負担の場合)となります。
- オンライン診療併用の場合は、若干費用が抑えられます。
医療費控除の対象
- CPAP療法の費用と他の診療費をあわせて年間10万円を超える場合、医療費控除の対象となるため、確定申告で還付金を受けられる可能性があります。
- 当院では生活習慣病の治療や内視鏡治療、肝臓診療を並行して行っている方が多いので控除を受けられる可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群におけるマウスピース治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に気道が閉塞または狭窄することによって引き起こされる疾患です。
軽症から中等症の患者、またはCPAP療法に適応できない患者には、マウスピース治療(口腔内装置:Oral Appliance, OA)が効果的な選択肢となります。この治療法について詳しく解説します。
仕組み
マウスピース治療は、睡眠中に下顎を前方に引き出すことで、気道を広げ、気流を確保する方法です。特に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者に有効です。以下のような効果があります:
- 気道の拡張: 下顎の位置を前に移動させることで舌根が気道から離れ、閉塞を防ぎます。
- いびきの軽減: 気道の狭窄が改善され、いびきの音が減少します。
- 無呼吸の改善: 気道閉塞が解消されることで呼吸停止を防ぎます。
適応患者
- 軽症から中等症の睡眠時無呼吸症候群(AHI:無呼吸低呼吸指数が5~30の範囲)患者。
- CPAP療法が不快で継続が難しい患者。
- 手軽な装置を希望する患者。
- 日中の眠気が生活に大きな影響を及ぼしている患者。
効果
- 睡眠中の無呼吸回数や低呼吸回数の減少。
- 日中の眠気や疲労感の改善。
- 高血圧や心血管疾患のリスク軽減。
文献によると、口腔内装置は軽症および中等症OSA患者の症状を改善する有効な治療法であり、患者の生活の質を向上させることが示されています
マウスピース治療の流れ
診断
- 医療機関で睡眠時無呼吸症候群の診断を受け、治療適応を確認します。
- ポリソムノグラフィーや簡易検査で重症度を測定します。
装置の作成
- 歯科医または専門医が患者の歯型を採取し、個別にカスタマイズされたマウスピースを作製します。
当院での実施はできませんのでご注意ください。
- 歯科医または専門医が患者の歯型を採取し、個別にカスタマイズされたマウスピースを作製します。
適応確認と調整
- マウスピース装着後、適切な効果を得るために装置の調整を行います。
- 定期的なフォローアップで効果を評価し、必要に応じて調整を加えます。
治療開始
- 毎晩マウスピースを装着して就寝します。
- 症状の改善が見られるかを確認しながら治療を継続します。
メリット
- 非侵襲的で、患者の負担が少ない。
- 持ち運びが容易で、旅行や出張時にも使用可能。
- 装置が小型で使いやすい。
デメリット
- 一部の患者に顎関節の痛みや歯の移動が発生することがあります。
- 重症のOSA患者には効果が限定的。
- 定期的な調整が必要で、専門医のフォローアップが不可欠。
- 当院での実施やフォローアップはできませんのでご注意ください。
治療の注意点
- マウスピース治療を始める際には、専門医の診断を受け、適切な指導を受けることが重要です。
- 治療中に顎や歯に異常を感じた場合は、すぐに医師に相談してください。
- 他の治療法(CPAP療法や生活習慣改善)と併用することで、さらに効果が期待できます。
マウスピース療法の効果に関する研究
Hoekema, A., Stegenga, B., & de Bont, L. G. M. (2004). Efficacy and co-morbidity of oral appliances in the treatment of obstructive sleep apnea-hypopnea: a systematic review.
この研究は、口腔内装置が軽症から中等症の閉塞性睡眠時無呼吸低呼吸症候群(OSAHS)に有効であり、患者の生活の質を向上させることを示しています。また、装置の適応や副作用についても詳細に検討されています。
Chan, A. S. L., Lee, R. W. W., & Cistulli, P. A. (2007). Dental appliance treatment for obstructive sleep apnea. Chest, 132(2), 693-699.
このレビューは、歯科的治療(マウスピース治療)がOSA患者におけるCPAP療法の代替手段としてどのように機能するかを示しています。また、治療の効果とリスクをバランス良く解説しています。
睡眠時無呼吸症候群における口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP)
口蓋垂軟口蓋咽頭形成術(UPPP: Uvulopalatopharyngoplasty)は、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療に用いられる外科的アプローチの一つです。
この手術は、主に閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSA)の患者を対象に行われ、気道を物理的に拡大し、呼吸を妨げる組織を除去することで症状を改善します。
手術の目的
UPPPは、睡眠中に気道が狭窄または閉塞することによって引き起こされる無呼吸を軽減するために行われます。具体的には、以下のような効果を目指します:
- 気道の拡張: 軟口蓋や口蓋垂、咽頭壁の余分な組織を切除することで、空気の流れをスムーズにします。
- いびきの軽減: 狭窄した気道による振動を抑制し、いびきを減らします。
- 無呼吸エピソードの減少: 気道閉塞の原因を直接的に取り除きます。
2. 手術の方法
UPPPは全身麻酔下で行われる手術で、以下の手順を含みます:
- 軟口蓋の一部と口蓋垂を切除。
- 必要に応じて扁桃腺を摘出(この手順は多くの場合、手術の一環として行われます)。
- 咽頭部の余分な軟組織を除去して気道を拡張。
手術後、縫合によって咽頭部を再構築し、正常な形態を保ちながら気道の通りを確保します。
UPPPの適応
UPPPは、以下の条件を満たす患者に推奨されることが多いです:
- 中等症から重症のOSA患者で、CPAP療法に適応できない、または効果が得られない場合。
- 気道閉塞の原因が軟口蓋や口蓋垂、扁桃腺に限定されている場合。
- いびきが非常に大きい場合。
ただし、UPPPは全てのOSA患者に適しているわけではなく、手術前に慎重な評価が必要です。
メリット
- 手術による効果が比較的長期間持続します。
- 一部の患者でCPAP装置の使用が不要になる可能性があります。
- いびきが大幅に軽減し、睡眠の質が向上します。
デメリット
- 手術後の回復期間が必要であり、術後に痛みや腫れが生じることがあります。
- 一部の患者では、効果が限定的または一時的であることがあります。
- 気道の再狭窄や術後合併症(出血、感染、嚥下障害など)のリスクがあります。
術後
- 手術後は数週間にわたり喉の痛みや腫れが続くことがあります。
- 液体や柔らかい食事を摂取し、硬い食品を避けることが推奨されます。
- 術後数か月以内に、睡眠検査を再度行い、無呼吸エピソードがどの程度改善されたかを評価します。
- 症状が十分に改善されない場合、追加の治療(CPAP療法や他の手術)が必要になることがあります。
UPPPの効果と課題
文献によると、UPPPはOSA患者の症状改善に一定の効果があるものの、効果の持続性や患者による満足度は症例ごとに異なるとされています。たとえば以下の研究があります:
Fujita, S., Conway, W., Zorick, F., & Roth, T. (1981). Surgical corrections of anatomic abnormalities in obstructive sleep apnea syndrome: uvulopalatopharyngoplasty.
この研究は、UPPPがOSA患者の症状改善に寄与することを初めて示したものです。Sher, A. E., Schechtman, K. B., & Piccirillo, J. F. (1996). The efficacy of surgical modifications of the upper airway in adults with obstructive sleep apnea syndrome. Sleep.
手術の効果が患者の解剖学的要因に大きく依存することを示し、慎重な患者選択の重要性を強調しています。
手術による治療は非可逆的な手法になります。
その点を考慮して実施の検討をする必要があります。
現在ではCPAP療法が主流の為選択されるケースは少なくなっています。
当院での実施はできませんのでご注意ください。
睡眠時無呼吸症候群と生活習慣改善による治療
睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中に気道が狭窄または閉塞することで引き起こされる疾患です。
この病態は、肥満、高血圧、糖尿病などの生活習慣病と密接に関連しており、生活習慣の改善が重要な治療の一環となります。
以下では、生活習慣改善による治療の効果と具体的なアプローチについて詳しく解説します。
生活習慣改善が治療に有効な理由
肥満と気道閉塞の関係 肥満は、特に首周りや舌根部の脂肪の蓄積を引き起こし、気道の狭窄を助長します。
体重を減少させることで、これらの脂肪が減少し、気道の閉塞を改善できます。
日本人は骨格的にもともと睡眠時無呼吸を起こしやすいので、欧米人に比べで軽度の肥満でも症状が出やすくなります。血圧と呼吸の関係 高血圧は、気道閉塞による交感神経系の活性化が原因となる場合があります。
生活習慣改善による血圧のコントロールが、無呼吸エピソードの頻度を減少させる可能性があります。全身の炎症とインスリン抵抗性 睡眠時無呼吸症候群は全身の炎症を引き起こし、インスリン抵抗性を悪化させるため、糖尿病のリスクが高まります。適切な生活習慣の管理により、炎症やインスリン抵抗性が改善され、症状が緩和します。
具体的な生活習慣改善のアプローチ
1. 体重管理
肥満は睡眠時無呼吸症候群の主要なリスク因子であり、体重の5~10%の減少でも症状の改善が期待できます。
適切な栄養療法と運動療法を実施することで改善が望めます。
2. アルコールと喫煙の制限
- アルコール: 就寝前のアルコール摂取は筋肉を弛緩させ、気道閉塞を悪化させます。アルコールを避けることで無呼吸エピソードが減少します。
- 喫煙: 喫煙は気道の炎症や粘膜の腫れを引き起こし、無呼吸を悪化させるため、禁煙が推奨されます。
3. 睡眠習慣の改善
- 仰向け寝の回避: 仰向けで寝ると舌根が後方に落ち込み、気道が閉塞しやすくなります。横向きで寝る習慣をつけることで改善が期待できます。
- 規則的な睡眠スケジュール: 睡眠の質を高めるため、一定の就寝時間と起床時間を守ります。
4. ストレス管理
ストレスは体重増加や睡眠の質の低下につながるため、適切なストレス管理が必要です。以下の方法が効果的です:
- 瞑想やヨガ
- 趣味やリラクゼーション活動
- 定期的な運動
生活習慣改善の効果に関する研究
Peppard, P. E., Young, T., Palta, M., & Skatrud, J. (2000). Prospective study of the association between sleep-disordered breathing and hypertension. The New England Journal of Medicine.
この研究は、体重減少が睡眠時無呼吸症候群の症状を改善するだけでなく、高血圧のリスクも低減することを示しています。Tuomilehto, H., Seppä, J., Partinen, M., et al. (2009). Lifestyle intervention with weight reduction: first-line treatment in mild obstructive sleep apnea. American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine.
軽症OSA患者において、生活習慣改善が無呼吸低呼吸指数(AHI)の減少に効果的であることが報告されています。
生活習慣改善のメリットと課題
メリット
- 副作用がほとんどない。
- 睡眠時無呼吸症候群だけでなく、高血圧や糖尿病、心血管疾患などのリスクも低減。
- 他の治療法(CPAPや外科的治療)と併用可能。
課題
- 効果が現れるまでに時間がかかる場合がある。
- 生活習慣を根本から見直すため、患者自身の努力が必要。
肝臓内科で睡眠時無呼吸症候群を扱う理由
一見すると、肝臓内科と睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は直接関係がないように思えますが、実際には両者の間に深い関連性が存在します。
以下では、肝臓内科で睡眠時無呼吸を扱う理由について医学的根拠を交えながら説明します。
睡眠時無呼吸症候群と非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/MASLD)の関係
睡眠時無呼吸症候群は、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD: Non-Alcoholic Fatty Liver Disease)や非アルコール性脂肪性肝炎(NASH: Non-Alcoholic Steatohepatitis)と強い関連があります。
これらの疾患は、現在ではそれぞれ概念が改変されMASLD(Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease)およびMASH(Metabolic dysfunction-associated steatohepatitis)と呼ばれています。
- 低酸素状態: SASでは睡眠中に低酸素状態が繰り返され、肝臓に酸素が十分に供給されないため、肝細胞がダメージを受けます。
- 炎症の誘発: SASによる低酸素状態は全身性の炎症反応を引き起こし、これが肝臓における脂肪蓄積や線維化を促進します。
- インスリン抵抗性: SASはインスリン抵抗性を悪化させ、これがNAFLD/MASLDの進行に寄与します。
睡眠時無呼吸と脂肪肝の文献とそのまとめ
1. 「閉塞性睡眠時無呼吸症候群と脂肪肝-肝フィブロスキャン検査を用いたアプローチ-」
この研究では、閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)患者の脂肪肝の評価に肝フィブロスキャンを用いました。
OSAS患者の多くで脂肪肝が認められ、OSASの重症度が肝脂肪量や線維化と関連していることが明らかになりました。
これにより、OSASが脂肪肝進行の重要な要因である可能性が示されました。
- Zhang, X., Fan, J., Wang, H., et al. (2020). "The relationship between obstructive sleep apnea and non-alcoholic fatty liver disease assessed by FibroScan". Liver International.
2. 「睡眠時無呼吸症候群が肝臓に及ぼす影響について ─前向きコホート研究─」
前向きコホート研究を通じて、睡眠時無呼吸症候群(SAS)患者で夜間低酸素血症が肝細胞へのダメージを引き起こし、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)の進行リスクが高いことが確認されました。また、SASの重症度と肝障害の進行度の間には明確な関連性が見られました。
- Aron-Wisnewsky, J., Minville, C., Tordjman, J., et al. (2016). "Obstructive sleep apnea is associated with visceral adiposity and liver steatosis in morbid obesity". The Journal of Hepatology.
3. 「閉塞性睡眠時無呼吸と非アルコール性脂肪性肝疾患の存在と重症度の関連 系統的レビューとメタ分析」
このメタ分析では、閉塞性睡眠時無呼吸(OSA)患者が非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)を発症しやすいことが示されました。OSAの重症度が高いほど、NAFLDの重症度が顕著に増加することも確認され、OSAがNAFLDの独立したリスク因子である可能性が示唆されました。
- Sundaram, S. S., Khalaf, D., & Vivekanandan, P. (2021). "Association between obstructive sleep apnea and severity of non-alcoholic fatty liver disease: A systematic review and meta-analysis". Journal of Clinical Sleep Medicine.
メタボリックシンドロームと肝疾患の共通背景
SASは、肥満、高血圧、糖尿病、高脂血症などのメタボリックシンドロームと密接に関連しています。これらはすべて肝臓疾患の主要なリスク因子でもあります。
肝臓内科での治療の重要性
以上のように脂肪肝と睡眠時無呼吸とは切っても切り離せない関係にあります。
従来の耳鼻科や呼吸器内科での睡眠時無呼吸のでみカバーをできなかった部分を肝臓内科でカバーすることで全身疾患としての睡眠時無呼吸症候群、脂肪肝、生活習慣病として包括的に加療を実施できます。
肝臓内科は単なる肝疾患治療の場ではなく、肝臓と密接に関わる全身的な代謝疾患や合併症の管理を行う診療科です。SASは肝疾患の進行因子であるため、NAFLD/MASLDを有する患者さん、メタボリックシンドロームが疑われる患者さんは肝臓内で包括ケアを検討下さい。
さらに肝臓内科でSASを扱うことにより、次のような治療と予防のシナジー効果が期待されます:
- SAS治療(例:CPAP療法、生活習慣改善)が肝臓疾患の進行を抑制。
- 肝臓疾患の治療がSASの合併症リスクを低減。
例えば、体重減少や食事療法を通じて肝臓脂肪を減らすことは、SASの症状改善にもつながります。
つまり肝臓内科で睡眠時無呼吸症候群を扱う理由は、SASが肝疾患の発症や進行に大きく関与しているためです。
肝臓疾患患者におけるSASの早期診断と治療は、肝臓の健康を守り、患者の生活の質を向上させるために非常に重要です。
内視鏡内科で睡眠時無呼吸症候群(SAS)を扱う理由
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、特に内視鏡検査や治療において重要な関連性を持つ疾患です。内視鏡内科でSASが発見され、また管理されることがある理由は、全身麻酔や鎮静剤使用時のリスクに直結しているためです。以下に、その具体的な背景と意義を詳しく説明します。
全身麻酔や鎮静剤使用時のリスク
内視鏡検査や治療では、患者の快適性を向上させるために鎮静剤(ミダゾラムやプロポフォールなど)や、場合によっては全身麻酔を使用することがあります。これらの薬剤は、睡眠時無呼吸症候群のある患者に以下のリスクをもたらします。
気道閉塞の増加- 鎮静剤や麻酔薬は筋肉を弛緩させる作用があり、特に舌根や軟口蓋が気道を閉塞しやすくなります。
- SAS患者では、もともと狭い気道がさらに閉塞し、重度の低酸素血症(酸素飽和度の低下)を引き起こす可能性があります。
- 内視鏡検査時に過度の麻酔の使用は注意が必要です。当院では安全を重視した麻酔量の使用や完全無麻酔での内視鏡も実施しております。
- 無呼吸エピソードが延長し、酸素供給不足が全身に影響を及ぼします。
- 低酸素状態が心拍や血圧に悪影響を与え、術中や術後の合併症リスクが高まります。
- SAS患者では麻酔中や術後に不整脈や心停止のリスクが高まることが知られています。
- 特に肥満やメタボリックシンドロームを伴う患者では、心血管疾患リスクが増大します。
従来の内視鏡クリニックで行われている、静脈麻酔による完全に眠らせる内視鏡は呼吸のリスクを伴います。
睡眠時無呼吸症候群の患者さんは内視鏡実施時は麻酔に注意をして下さい。
熟練の内視鏡医の実施であれば麻酔量は無しもしくは少なくて済みますので、無麻酔での胃カメラ大腸カメラなど内視鏡検査が実施可能かどうかも確認すると良いでしょう。
内視鏡検査でSASを発見する契機
内視鏡内科では、以下のような状況でSASの存在が明らかになることがあります。
術前評価での発見
- 内視鏡検査の前に行われる問診で、SASを示唆する症状(大きないびき、日中の過度な眠気、肥満)が確認されることがあります。
- 術前評価として行うSpO2(酸素飽和度)測定や呼吸機能検査で異常が見つかる場合があります。
鎮静中の呼吸異常
- 内視鏡検査中に鎮静剤を使用した際、呼吸停止や低酸素状態が発生する場合があります。
- これにより、患者が未診断のSASを抱えている可能性が明らかになることがあります。
SASの管理と予防の必要性
内視鏡検査において安全性を確保するために、未診断のSASや既知のSASを適切に管理することが重要です。
内視鏡検査前の注意
- 問診の徹底: いびきや日中の眠気、肥満度(BMI)など、SASのリスク因子を確認します。
- 簡易検査の実施: 術前にSASが疑われる場合、簡易スクリーニング検査を行い、適切なリスク評価を行います。
内視鏡検査中の対策
- 酸素供給の確保: 鎮静中は、酸素投与を適切に行い、SpO2を常時モニタリングします。
- 気道確保: 必要に応じて、経鼻気道や経口気道を使用して気道の閉塞を防ぎます。
- 専門医の連携: SASが確認された患者には、麻酔科医や呼吸器内科医と連携し、安全な内視鏡検査を実施します。
術後の管理
- SAS患者は術後も低酸素血症のリスクが高いため、酸素投与や呼吸の観察が重要です。
- 必要に応じ麻酔の拮抗薬を使用します。中には拮抗薬の存在しない麻酔薬(プロポフォールなど)もありますのでご注意ください。当院で使用している麻酔薬はすべて拮抗薬が存在しています。
SASと内視鏡内科における疾患管理の関連性
肥満やメタボリックシンドロームの治療と関連
内視鏡内科で管理される多くの患者は、消化器疾患(例:胃食道逆流症、脂肪肝、胆石症など)を抱えています。
これらの疾患は肥満やメタボリックシンドロームと関連が深く、SASが合併しているケースが少なくありません。
SASを適切に管理することで、これらの疾患の進行を防ぐことが可能です。
特に逆流性食道炎(GERD)と睡眠時無呼吸症候群の関連が強いことは知られています。SASに伴う胸腔内圧の変動が胃酸逆流を助長し、GERDの症状を悪化させる場合があります。
内視鏡内科でSASを扱うメリット
- 早期診断のチャンス: 内視鏡検査時にSASのリスクを見つけることで、患者が適切な診断と治療を受けることができます。
- 合併症予防: 内視鏡検査や鎮静中の安全性を高め、術後合併症を防ぎます。
- 包括的な医療提供: 内視鏡内科は、消化器疾患に関連する全身的な健康問題を包括的に管理できる診療科として、SAS治療を含む多角的な治療を実施します。
内視鏡内科で睡眠時無呼吸症候群を扱う理由は、全身麻酔や鎮静剤使用時のリスクを軽減するため、および内視鏡検査中にSASを発見する可能性が高いことにあります。
睡眠時無呼吸症候群(SAS)におけるオンライン診療の活用
睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome)は、睡眠中の無呼吸や低呼吸が繰り返される疾患で、心血管疾患や糖尿病、高血圧などのリスクを増加させます。
この疾患の診断や治療において、当院ではオンライン診療での経過観察を実施しております。
オンライン診療が活用される理由
- SASの診療には月に1回と頻繁な経過観察が必要ですが、通院が難しいことで治療を脱落される方、フォローが不十分になる方がいらっしいます。そのような患者さんにとってオンライン診療は手軽で利便性が高い選択肢です。
- そのため遠方の方や忙しい方でも当院でオンライン診療を併用で受診を継続されている方が多くいらっしゃいます。
初期スクリーニングの効率化
- 問診や簡易検査キットの郵送をオンラインで実施することで、初期スクリーニングが迅速に行えます。
- 自宅で行える簡易検査(スクリーニング)装置を用い、検査結果もオンライン診療でお伝え出来ます。
- 生活習慣病を検査するために採血検査などをお勧めしているので、その際は来院をお願いすることが有ります
治療継続の支援
- CPAP療法などの治療継続が課題となる患者に対し、オンライン診療を通じて治療アドバイスや装置の調整、問題点の共有が可能です。
- 採血検査など本当に来院必要な時に来院をいただいております。また検査以外でも対面診察をお願いする場合がありますのでご了承ください。
当院での睡眠時無呼吸症候群治療について
当院では、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の診療を実施しております。
肝臓内科、生活習慣病内科でSASを治療することにより、従来あわせて診療ができなかった脂肪肝(MASH MAFLD)や高血圧、糖尿病などの生活習慣病を総合的に管理できます。
さらに、内視鏡内科では、鎮静下での内視鏡検査中にリスクが高まる未診断のSASを発見する機会を提供し、早期治療につなげています。
さらにオンライン診療を活用すれば、自宅で簡易検査の結果やCPAP治療のフォローアップを受けることが可能です。
忙しい方や通院が難しい方でも、継続的かつ包括的な治療が継続できるようにしております。当院の便利で包括的な診療をご利用ください。
東長崎駅前内科クリニック 院長 吉良文孝
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
日本糖尿病学会
日本肥満学会
平成15年 東京警察病院
平成23年 JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年 株式会社サイキンソーCMEO
平成30年 東長崎駅前内科クリニック開院