血便・下血と症状の関係

血便を伴う下痢について

下痢の概要

下痢は、便の水分量が増加し、液状や軟らかい状態を示すものを指します。軟便は、水分量が80〜90%、一方、下痢は水分量が90%以上で特徴づけられます。

下痢と血便が同時に起こる理由

血便が見られる場合、腸の炎症や出血が原因で、それが腸内の浸透圧や微生物バランスを変えて下痢が伴うことがある。
抗生物質の副作用や食事の問題、食物中毒も下痢の要因となる。

血便を伴う下痢の原因となる病態

● 大腸がん
● 虚血性大腸炎
● 炎症性腸疾患
● 感染性大腸炎:肉摂取による感染などが考えられる
● IBS(過敏性腸症候群)

年代別の血便を伴う下痢の原因

若者では「感染性大腸炎や潰瘍性大腸炎、IBS」が多い一方、高齢者では「大腸がん」のリスクが高まります。

腹痛をともなう血便について

腹痛について

多くの人が経験する腹痛は、消化器系から循環や泌尿系の問題までさまざまな原因が考えられる複雑な症状です。

腹痛を伴う血便の背後にある理由

急な腹痛や下痢の後に血便が出る場合、「虚血性大腸炎」の可能性が考えられます。
特に、左腹や下腹部に痛みを感じる場合、虚血性大腸炎が疑われ、診断のために大腸カメラ検査が推奨されます。

腹痛を伴う血便の主な疾患

● 虚血性大腸炎
● 感染性大腸炎
● 大腸がん:腸閉塞気味になると腹痛が出やすい
● 潰瘍性大腸炎:症状が重い場合に腹痛が強くなることがある
● 便秘:便の硬さによる腸粘膜の損傷が原因

血便を伴う便秘

便秘の定義

便秘とは、硬い便が適切に排出されず、3日以上排便の頻度が減るまたは残便感が継続する状態を示します。
それによって、腹痛、吐き気、食欲の低下などの症状が出ることがあり、早急な対策が求められます。

便秘に伴う血便の起因

便秘は、大腸の動きの鈍化や、副交感神経の過活動によって腸が緊張状態になり、便がスムーズに進まないことが一般的な原因です。

便秘を伴う血便の関連疾患

● 虚血性大腸炎
● IBS(過敏性腸症候群)
● イレウスや閉塞性腸炎
● 大腸がん

貧血を合併する血便

貧血の特徴

貧血とは、血中の赤血球のヘモグロビン量が低下する状態を指す。ヘモグロビンが不足すると、体全体に適量の酸素が供給されないため、疲労や呼吸困難、立ちくらみ、頭痛などの症状が現れる。

貧血伴う血便の主な原因

貧血の症状とともに血便が出る場合、主な疾患として「大腸がん」や「潰瘍性大腸炎」が考えられます。
それらの疾患により微量の出血が持続し、貧血が進むことがある。
このような症状を持つ方は、他の潜在的な疾患を除外するため、大腸カメラ検査の受診を勧められる。

貧血を伴う血便の関連疾患

● 大腸がん
● 潰瘍性大腸炎

大量出血の血便

大量出血する血便の原因

多量の血便が見られる場合、大腸に形成された小さな袋状の部分(憩室)からの出血、すなわち憩室出血が疑われます。
この出血は通常、痛みを伴わない。しかし、違う症状として鈍痛がある場合は、大腸がんの可能性も考えられます。
大量の血便が出る場合、大腸カメラ検査の受診が勧められます。

多量の出血を伴う血便の関連疾患

● 憩室出血(痛みを伴わないことが一般的)
● 感染性腸炎(例:o157)
● 潰瘍性大腸炎
● 大腸がん

血便の色とその意味

便の色の変化

● 黒色便:食道、胃、十二指腸の異常の可能性
● 鮮血便:大腸など下部消化管からの出血の可能性
● 暗褐色便:小腸・大腸などの下部消化管からの出血の可能性
● 白色便:血便ではないが肝臓、胆嚢、膵臓の問題の可能性
● 緑色便:血便ではないが腸内細菌の乱れや腸炎の可能性

血便に伴う症状

血便と以下の症状が合併する場合、消化器疾患のサインかもしれません。直ちに消化器内科の診察を受けることを推奨します。
● 腹痛
● 貧血
● 下痢
● 便秘

コロナと血便の関連性

コロナウイルス感染者の中には、「鮮血便」「暗赤褐色便」などの血便の症状を持つ方もいます。
多くは肛門付近の出血が原因で、緊急性は低いとされています。
だが、腹痛や貧血、下痢、便秘といった症状がある場合、大腸カメラ検査の受診をおすすめします。

症状がほとんど見られない血便の原因

● 大腸がん
● 憩室出血
● 虚血性大腸炎の初期
● 糖尿病患者

これらの疾患では、症状が出にくいことが知られています。早期発見のため、定期的に大腸カメラ検査を受けることが重要です。

病院を訪れるべき血便の症状

痛みを伴う血便

大腸がんや潰瘍性大腸炎が疑われます。進行すると症状がでやすいので、しょうじょうのある際には早めに下部消化管内視鏡検査を受けることが推奨されます。
治療の事も踏まえて内視鏡の実施ができる消化器内科に受診をしましょう。

痛みが少ない血便

痔以外が原因の血便がいいいです。痔核からの出血の場合、痛みを伴いにくいと血便と言われています。
痛みがないからと放置すると他の病気が隠れていることもあるので、消化器専門医に受診することが大切となります。

血便・下血の診断するための検査手段

血便・下血の場合の診断方法には、主に4つ考えられます。

便中隠血検査

健康診断時に用いられる検査です。目視では見えない血便を検出できます。日常的な臨床では頻繁には使用されません。

上部消化管内視鏡(胃カメラ)

通常、胃カメラとして知られ、特定のファイバースコープを口や鼻から進入させ、咽頭から十二指腸までの部分(ポリープ・がん・炎症等)を確認する診断ツールです。
ただし診断だけでなく、治療方針の選択にも役立ちます。
当院では、通常の白色光観察だけでなく、特定の波長を持つ特殊光を活用しての診断も実施しています。
この特殊光を使用することで、通常では見過ごしがちな疾患も検出しやすくなります。

下部消化管内視鏡(大腸カメラ)

一般的には大腸カメラと呼ばれ、特定のファイバースコープを肛門から挿入して、全大腸部分を視察します。
大腸での疾患(ポリープ・がん・炎症等)の発見や治療方針の決定に役立ちます。
当院の検査では、通常の白色光だけでなく、特定の波長の特殊光を利用。さらに、最大135倍の拡大視察も可能です。
この二つの技術を組み合わせることで、疾患の詳細な情報が得られます。

カプセルエンドスコピー(カプセル内視鏡)

小腸の出血部分を特定する際に実施します。 カメラ付きのカプセルを摂取し、小腸の様子を連続撮影し画像を保存します。
小腸の腫瘍の検索にも使用されます。
小腸は他の方法で診断が出来ないために利用される手段です。
撮影データを基に、病変部分を特定します。
特定の医療施設でのみ提供されていますが、東長崎本院では利用できます。

当院の内視鏡診断の強み

胃カメラ

● 予約不要での当日検査や土曜日の検査も可
● 午後や夕方の検査も提供中
● オンライン予約が可能
● 胃・大腸の同日内視鏡検査が可能
● 鼻からの挿入で清潔
● ピロリ菌検査も同時実施
● 豊島区の胃カメラ健診も受け付けています。

大腸カメラ

● 下剤内服不要の検査も可能
● 無送気軸保持短縮法での検査
● 午前・土曜日の検査も可能
● 胃・大腸の同日検査が可能
● 大腸ポリープは当日切除可能
● 軽い麻酔から全身麻酔まで選択可能
● 下剤内服の場所をえらべます。
● 最新の大腸カメラ技術導入
● 検査枠の事前予約がネットで可能
● オンライン診療を使用しての事前診察で来院回数をへらせます。

カプセル内視鏡

東長崎本院での小腸検査が実施できます。
胃カメラ・大腸カメラと組み合わせて、消化管全体のチェックが完結します。

血便・下血でお悩みの方は、当院の消化器内科・胃腸内科・内視鏡内科へ

当院では、血便・下血でお困りの方の、検査や治療を行っております。

血便・下血は原因によって治療法が異なるため、診察や内視鏡検査を通して、適切な治療を施す必要があります。当院では24時間WEB予約を受け付けておりますので、忙しい方もWEB予約から時間を指定してご来院ください。

 

当院について

当院では、内視鏡専門医による胃カメラ(経鼻内視鏡)・大腸カメラ(大腸ポリープ切除可能)・カプセル内視鏡(小腸・大腸)など、安心安全な医療をみなさまに提供しております。また、みなさまの健康と笑顔のために、消化器病専門医・肝臓専門医による消化器疾患の専門的な検査・診察・治療を行い、高血圧・糖尿病・高コレステロール血症・痛風などの生活習慣病や風邪・花粉症・インフルエンザまで幅広い範囲で一般内科疾患もしっかり診断・治療いたします。さらに、腸内洗浄や腸内フローラ検査などこだわりの自費診療も実施しております。

東長崎駅周辺にお住いの方をはじめ、椎名町、江古田、桜台などの西武池袋線沿線や要町・千川・小竹向原・新桜台などの有楽町線沿線、東武東上線沿線にお住いの方々に安心安全の医療を提供し、地域医療を通じ皆様の“人生”“生きがい”のサポートさせていただきたいと思っております。

私たちスタッフ一同、安心安全な医療を提供すべく、日々、最新医療設備の研修などに勤めております。皆様のご来院を心よりお待ちしております。

著者
東長崎駅前内科クリニック 院長 吉良文孝
資格
日本内科学会認定 認定内科医
日本消化器病学会認定 消化器病専門医
日本消化器内視鏡学会認定 内視鏡専門医
日本肝臓学会認定 肝臓専門医
日本消化管学会認定 胃腸科指導医
経歴
平成15年 東京慈恵会医科大学 卒業
平成15年 東京警察病院
平成23年 JCHO東京新宿メディカルセンター
平成29年 株式会社サイキンソーCMEO
平成30年 東長崎駅前内科クリニック開院
 
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