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通常では横隔膜という膜で胸と腹は仕切られています。本来では横隔膜の下にあるべき胃の一部が横隔膜の上の食道の方に飛び出してしまうのが食道裂孔ヘルニアです。
加齢により横隔膜の筋肉の一部が緩むこと、また肥満・妊娠・慢性的な咳など腹圧の上昇する環境が原因と言われています。
胃と食道の境界が緩くなってしまうため、胃酸が逆流しやすくなり逆流性食道炎の症状(胸やけ、呑酸、しみる感じ、痛み)をきたしたり、飛び出した胃が横隔膜に締め付けられることにより、嘔吐、嚥下困難などの通過障害症状をきたしたりします。
胃食道X線検査(胃食道造影検査)、内視鏡検査(胃カメラ)、CT検査にて診断されます。
生活習慣の改善、薬物治療がメインですが、重症例では手術を行うケースもあります。生活習慣の改善の対策として、体重の減量(極端な減量は禁物です)、就寝時の頭側挙上が行われます。薬物治療は、制酸剤、消化管運動機能改善薬などの胃薬を使用します。それでも症状が改善しない場合は手術が選択されます。手術は低侵襲な腹腔鏡下手術が主流ですが、開腹して行う必要がある場合もあります。最近では低侵襲治療として、内視鏡での治療(ARMS)も行われており良好な成績が報告されております。
1) 西澤俊宏ら:食道裂孔ヘルニア. 日本臨床74巻8号:1339-1342,2016. 2) 広田将司ら:食道裂孔ヘルニア. 消化器外科NURSING vol.17 no.4:308-312,2012. 3) Inoue H, et al:Anti-reflux mucosectomy for gastroesophageal reflux disease in the absence of hiatus hernia: a pilot study. Ann gastroenterol 27(4):346-351, 2014.f