内視鏡検査っていくらかかるの?費用相場や生命保険・医療費控除についても紹介

 

内視鏡検査を検討する際、気になるのが『どのくらい費用がかかるか』です。

内視鏡検査では、先端に小型のカメラがついた内視鏡を使用して検査をしますが、検査前の診察や処置を行ったり、検査中に他の検査や処置を行ったりします。それぞれに費用がかかってくるため、最終的に窓口ではいくら支払うことになるのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、内視鏡検査の特徴と頻度、費用相場、生命保険の請求、医療費控除について詳しく紹介します。内視鏡検査を検討していて費用に不安を感じている方、初めて内視鏡検査を受ける方は、ぜひご覧ください。

内視鏡検査の特徴と頻度

内視鏡検査とは、先端に小型のカメラを内蔵した細長いスコープを口もしくは鼻、肛門から挿入し、食道や胃、十二指腸、大腸の内部を観察する検査のことです。

がんなどの早期発見に役立つだけでなく、場合によっては治療も同時に行うことも可能です。

内視鏡検査には、主に『上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)』と『下部消化管内視鏡検査(大腸カメラ』があり、それぞれに観察対象が異なります。ここでは、2種類の内視鏡検査の特徴と頻度について紹介します。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

上部消化管内視鏡検査とは、いわゆる『胃カメラ』のことです。口もしくは鼻から内視鏡を挿入し、食道や胃、十二指腸の内部をモニターに映し出して直接観察し、炎症や潰瘍、ポリープ、がんなどの診断に利用するほか、組織検査を行うためにその場で病変の一部を採取することもあります。

上部消化管内視鏡検査の適切な頻度は人によって異なりますが、基本的には2〜3年の間隔で受けるのがよいとされています。以前検査を受けてピロリ菌が発見された方やピロリ菌の除菌を行った方は、胃がんの発生リスクを考慮して1年に1回程度検査を受けるとよいでしょう。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査とは、いわゆる『大腸カメラ』のことです。肛門から内視鏡を挿入して大腸の一番奥まで進めていき、引き抜きながら大腸内を観察し、ポリープや炎症、がんなどの異常がないかを直接見ながら観察します。

大腸ポリープが見つかった場合、大きさによってはその場で切除する『コールドポリペクトミー』を行います。ポリープのサイズが大きい場合はその場で切除せず、改めて治療計画を立てて切除を行うのが一般的です。

大腸内視鏡検査の頻度は、40歳以上の方は3〜5年に1回程度が適切だといわれていますが、大腸ポリープが見つかった方は1〜2年に1回の頻度で行うのがよいとされています。

内視鏡検査が保険適用で受けられるケース

内視鏡検査を受ける際、医療機関で健康保険証を提示したとしても必ずしも保険が適用されるわけではありません。ここでは、内視鏡検査が保険適用で受けられるケースを紹介します。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)

上部消化管内視鏡検査が保険適用で受けられるのは、患者さん本人に何らかの自覚症状があったり、他の検査で異常が発見されたりなど、医師が内視鏡検査の必要があると判断した場合や、自治体のがん検診でがんの疑いがあると判断された場合です。

例えば、吐き気や胸焼け、胃の痛み、腹部の不快感がある場合、以前ポリープや胃潰瘍などを指摘されていて定期的に検査が必要だとされている場合などは、保険が適用されます。

上部消化管内視鏡検査を目的として受診された場合や、人間ドック、健康診断などで検査を行った場合などは、自由診療となり保険は適用されません。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

大腸内視鏡検査が保険適用で受けられるのは、上部消化管内視鏡検査と同様、医師が検査の必要があると判断した場合や、自治体のがん検診でがんの疑いがあると判断された場合です。

例えば、健康診断などで便潜血検査を行って結果が陽性だった場合や、すでに大腸ポリープがあることがわかっていてその切除が目的の場合、便通異常や血便、下血などの症状がある場合などがこれに当てはまります。

自由診療となる条件も上部消化管内視鏡検査と同じく、検査目的の受診や人間ドック、健康診断などで検査を行った場合などです。

上部消化管内視鏡検査(胃カメラ)の費用相場

上部消化管内視鏡検査にかかる費用は、上部消化管内視鏡検査のみを行った場合とその他の検査や処置を行った場合、保険診療か自由診療かなどで大きく異なります。ここでは、上部消化管内視鏡検査の費用相場を紹介します。

上部消化管内視鏡検査のみ

上部消化管内視鏡検査を行い、何も異常が発見されなかった場合は、検査費用のみがかかります。保険診療の場合、診療報酬点数によって決められた費用が請求されるため、全国どこの医療機関で検査を受けてもかかる費用に違いはありません。

上部消化管内視鏡検査の診療報酬点数は1,140点です。保険点数は1点10円で計算され、3割負担の場合は3,420円が検査費用となります。

ただし、上部消化管内視鏡検査のみを受けた場合でも、初診料や採血費用、薬剤、鎮静剤の費用などが追加されるため、窓口で支払うのは4,000〜6,000円程度になることが多いでしょう。

上部消化管内視鏡検査+生検

上部消化管内視鏡検査の結果、詳細な検査を行う必要があると判断された場合は、組織の一部を採取する『生検』がプラスされることがあります。生検を行った場合は、上部消化管内視鏡検査の費用や初診料、採血費用などに生検の費用が追加されるため、保険診療で3割負担の場合は8,000〜12,000円程度が相場となります。

上部消化管内視鏡検査+ピロリ菌除菌

上部消化管内視鏡検査でピロリ菌が発見された場合は、保険適用で除菌が可能です。

自覚症状がない場合は最初にピロリ菌検査を行いますが、保険適用でピロリ菌検査を受けるには上部消化管内視鏡検査を行ったうえで胃・十二指腸潰瘍、慢性胃炎と診断される必要があります。3割負担の場合は、胃カメラとピロリ菌検査で6,000〜7,500円程度かかると考えておいてください。

検査の結果、ピロリ菌がいることがわかり、除菌治療を行う場合は一次除菌で6,000〜7,500円程度、二次除菌まで行うと一次除菌と合わせて12,000〜14,000円程度の費用を負担することになります。

上部消化管内視鏡検査を自由診療で受ける場合

自由診療ではすべての費用を負担する必要があるため、高額になる可能性があります。費用の目安は、10,000〜25,000円程度です。ただしこの費用は検査のみの相場であり、生検やピロリ菌検査、除去にかかる費用は含まれていません。

同じ検査を行ったとしても、医療機関によってかかる費用が異なり、別途10,000〜30,000円程度かかるため、自由診療で上部消化管内視鏡検査を受ける場合は事前に費用を確認しておくことをおすすめします。

上部消化管内視鏡検査で鎮静剤を使った場合

自治体が実施している検診では、鎮静剤を使用することができない場合がほとんどですが、医療機関で検査を受ける場合は鎮静剤を使用して楽に検査を受けられる可能性があります。

使用する薬剤によってかかる費用は異なりますが、保険診療の3割負担の場合は数百円程度の負担で済むケースが多いでしょう。

自由診療の場合は、鎮静剤の使用に5,000〜8,000円程度かかる可能性もあるため、事前に鎮静剤の料金を確認しておくことが大切です。

当院では豊島区の胃がん検診では軽い鎮静剤の使用まで実施をしております。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)の費用相場

上部消化管内視鏡検査と同様、大腸内視鏡検査にかかる費用は、大腸内視鏡検査のみを行った場合とその他の検査や処置を行った場合、保険診療か自由診療かなどで大きく異なります。ここでは、大腸内視鏡検査の費用相場を紹介します。

大腸内視鏡検査のみ

大腸内視鏡検査を行って特に異常が発見されず観察のみで終了した場合は、検査費用のみがかかります。保険診療の場合、大腸内視鏡検査の診療報酬点数が1,550点で1点10円換算すると15,500円となり、その3割負担で4,650円が検査のみにかかる費用ということになります。

それに初診料や鎮静剤の費用などが追加されるため、窓口では6,000〜7,000円程度を支払うケースが多いです。

大腸内視鏡検査+生検

大腸内視鏡検査を行って細胞を採取する『生検』が必要だと判断された場合は、その費用が検査料金に追加されます。生検では、専門の病理医へ採取した細胞を提出し、良性か悪性かなどの診断を行うために複数の工程が必要です。生検に必要な工程にかかる費用を合計すると、1臓器あたりの診療報酬点数は1,320点となり、3,960円が追加されるため、窓口で支払うのは10,000〜12,000円程度になることが多いでしょう。

大腸内視鏡検査+大腸ポリープ除去

大腸内視鏡検査では、検査の途中でポリープが見つかった場合、切除することがあります。
大腸ポリープの切除は保険診療で行われるため、3割負担で20,000円程度(1ヶ所切除した場合)になります。この金額に初診料や鎮静剤の費用、大腸内視鏡検査の費用、切除されたポリープの数や大きさ、場所によって追加され、25,000〜35,000円程度かかることもあるでしょう。

大腸内視鏡検査を自由診療で受ける場合

大腸内視鏡検査を自由診療で受ける場合、内視鏡による観察のみでも15,000〜30,000円程度と医療機関によって価格に大幅な違いがあります。生検やポリープ切除を行うと、追加した分の生検や切除の費用のみ保険が適用される可能性もありますが、最終的に数万円はかかると思っておいた方がよいでしょう。

健診などでポリープが見つかり、検査中に切除できない場合は、改めて医療機関を受診して再度大腸内視鏡検査を受けなければならず、その分の費用もかかることがあります。

大腸内視鏡検査で鎮静剤を使った場合

大腸内視鏡検査で鎮静剤を使った場合の費用相場は、上部消化管内視鏡検査の場合とそれほど違いません。鎮静剤を用いることで、大腸の曲がった部分を通過するときの痛みや、大腸の内壁が伸びたときの刺激による痛みなどを緩和することができるため、痛みが不安な方は使用するのがおすすめです。

使用する薬剤によってかかる費用は異なりますが、費用相場は保険診療の3割負担の場合は数百円程度、自由診療の場合は5,000〜8,000円程度になります。

内視鏡検査で生命保険の請求は可能?

内視鏡検査は比較的高額になりがちな検査であるため、生命保険の請求はできないかとお考えの方もいるかもしれません。ここでは、内視鏡検査での生命保険の請求について解説します。

上部消化管内視鏡検査

診断を目的とした上部消化管内視鏡検査は、基本的に生命保険の請求対象ではありません。しかしポリープを切除した場合などは、生命保険の請求が可能となる場合があります。

生命保険会社によって対応は異なりますが、検査の結果ピロリ菌感染による慢性胃炎が発覚し、除菌治療を受けるために通院・入院する場合も、給付金が受け取れる可能性があるため、一度契約内容を確認しておくとよいでしょう。

大腸内視鏡検査

上部消化管内視鏡検査と同様、大腸内視鏡検査も基本的には生命保険の請求対象ではありませんが、ポリープを切除した場合は生命保険によって保険金が支払われることがあります。

ただし、対象となるのは健康保険が適用され、『手術料』として算定された場合のみです。『検査料』として算定された場合は支払いの対象外となる可能性が高いため、生命保険会社に請求する前に診療明細書などで確認しましょう。

内視鏡検査は医療費控除の対象となる可能性がある

『医療費控除』とは、世帯全体で1年間に支払った医療費が10万円または所得総額の5%を超える場合に、確定申告をすることで所得税が軽減される制度のことです。

対象となるのは医師による診療や治療にかかった費用、治療や療養に必要な医薬品を購入した費用などです。検査の結果、治療が必要だと判断された場合は、医療費控除の対象となりますが、人間ドックや健康診断などで内視鏡検査を受けた場合は原則として医療費控除の対象とはなりません。

ただし、人間ドックや健康診断の便潜血検査で陽性の結果が出て、大腸内視鏡検査を行ったケースでは、見つかったポリープが悪性で引き続き治療を受けた場合は、医療費控除の対象となることがあります。

しかし、大腸ポリープが良性で切除後に治療の必要がない場合は、医療費控除の対象外となる可能性もあるため、確定申告の際に所轄税務署へ確認してみましょう。

まとめ

内視鏡検査の費用は行った検査の内容や処置、健康保険の適用の有無などによって人それぞれ大きく異なりますが、比較的高額になることも多く、検査を受けるか迷っている方もいるのではないでしょうか。

しかし内視鏡検査は、がんなどの重篤な病気を早期発見するために必要な検査です。病気が早く見つかれば、その後の治療にかかる費用が抑えられるだけでなく、家族に不安な思いをさせずに済むため、早めに受けておくようにしましょう。

東長崎駅前内科クリニックでは、『病気・症状のこと以外で心配する必要がないように』をポリシーに、患者様が受けやすい利便性の高い内視鏡検査を目指しています。

日本内視鏡学会専門医・日本消化器病学会専門医の資格を有する院長が、患者様の苦痛を可能な限り少なくした内視鏡検査を行っていますので、内視鏡検査を検討している方は、ぜひお気軽に東長崎駅前内科クリニックまでご相談ください。

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