胃カメラの費用相場は?費用負担を減らす方法やクリニックの選び方なども紹介

年齢を重ねると、「そろそろ胃カメラを受けた方がいいのでは?」と思うことが増えてきます。特に40代後半からは胃がんや食道がんの罹患率も上がってくるため、できれば40歳頃から定期的に胃カメラを受けておくと安心です。

しかし、初めて胃カメラ(胃内視鏡検査)を受ける際、費用はどのくらいかかるのか気になるという方も多いのではないでしょうか。この記事では、胃カメラの費用が人によって異なる理由や費用相場、費用負担を減らす方法などについて解説します。

胃カメラを検討している方や事前に費用を知っておきたい方は、ぜひご覧ください。

胃カメラの費用が人によって異なる理由

胃カメラを受けた際の話を何人かに聞いてみると、人によって支払った金額が異なるため、なぜ同じではないのかと不思議に感じたことがあるかもしれません。ここでは、胃カメラの費用が人によって異なる理由について詳しく解説します。

健康保険適用の有無

胃カメラの費用は、健康保険適用の有無で大きく異なります。健康保険が適用される『保険診療』の場合、診療報酬という定められた点数によって費用が決まります。健康保険の種類にもよりますが、検査自体の費用は全国どこのクリニックで受けても同じです。

ただし、検査を受ける医療機関の規模、具体的には病院とクリニックでは診察料や追加する薬剤が異なるケースも多く、最終的に会計窓口で支払う金額に差が出ることもあります。一方、健康保険が適用されない自由診療の場合は、検査にかかる費用のすべてを自分で負担することになるため、保険診療と比べて高額になります。

胃カメラ以外の処置や検査

胃カメラの費用は、胃カメラ以外にどのような処置や検査を行ったかどうかでも変わってきます。例えば、検査中にピロリ菌がいるかどうか調べる検査や、胃の粘膜がどの程度萎縮しているか調べる検査、組織の一部を採取する生検などを行った場合は、追加で費用がかかる点に注意が必要です。また、医療機関によっては鼻からチューブを入れる経鼻内視鏡と、口からチューブを入れる経口内視鏡のどちらを選ぶかで費用が異なる場合もあります。

胃カメラ検査費用の内訳

一般的に、胃カメラ検査の際は検査費用だけでなく、以下の費用が発生する可能性があります。

  • 初診料や再診料
  • 血液検査費用
  • 胃カメラ薬剤(消泡剤)費用
  • 鎮静剤費用
  • 胃カメラ検査費用
  • ピロリ菌検査費用
  • その他の検査費用
  • 病理組織検査(生検)費用
  • 検査中に使用した点滴や薬剤の費用

上記は、一般的に胃カメラ検査を行った当日に発生する費用の内訳です。このほかに薬が処方された場合は院外処方箋料がかかる場合もあります。

胃カメラの費用相場

胃カメラの費用は保険適用の有無、追加の検査や薬剤、医療機関によっても異なるため、一般的に数千円から数万円と大きな幅があります。では、具体的にどのくらいの費用がかかるのか、ここでは保険診療の場合と自由診療の場合、生検をした場合、ピロリ菌検査をした場合の費用相場をそれぞれ紹介します。

保険診療の費用相場

胃カメラが保険診療となるのは、何らかの病気の疑いがあり、医師が胃カメラを行う必要があると判断した場合です。保険診療となった場合の費用相場は、約5,000〜15,000円になります。

胃カメラの検査自体の診療報酬点数は1,140点(1点につき10円)であるため、3割負担の場合は3,240円です。しかしこの費用に診察料やその他の検査費用、処置費用などが追加されていき、最終的に窓口で支払う金額に違いが出ます。

自由診療の費用相場

胃カメラが自由診療となるのは、医師が胃カメラを必ず行う必要はないと判断した場合や、定期的に受ける人間ドックでの胃カメラ検査などの場合です。自由診療となった場合の費用相場は、約10,000〜25,000円になります。

ただしこれは胃カメラ検査のみの費用であるため、ピロリ菌検査や生検などを行った場合は、別途で費用が追加されていく点に注意しましょう。なお、自由診療では医療機関が自由に料金を決められます。同じ検査を受けた場合でも、検査を受けた病院やクリニックによって費用が大きく異なる場合があるため、検査を受ける際は事前に費用を確認しておくことをおすすめします。

生検をした場合の費用相場

生検ありの場合となしの場合では、胃カメラの費用が異なります。生検とは、何らかの病気であることが疑われる細胞の一部を切り取って、菌や腫瘍の有無について詳しく調べる検査です。採取した組織は見やすいように染色して顕微鏡で観察し、病気の診断を行うため、その分の費用が追加されます。

生検をした際にかかる費用相場は、一ヶ所あたり約3,000〜4,000円(3割負担)です。検査する臓器が増えるとそれに伴って費用も上昇します。自由診療の場合は医療機関によって料金が異なるため、ホームページを見るか、直接問い合わせてみるとよいでしょう。

ピロリ菌検査をした場合の費用相場

ピロリ菌検査も、生検と同じように行った場合と行わなかった場合で胃カメラの費用が異なります。そもそもピロリ菌検査とは、ピロリ菌に感染しているかを確認する検査のことです。胃カメラでピロリ菌感染による慢性胃炎が確認された場合、ピロリ菌検査や除菌治療を行う半年以内に胃カメラを受けている場合は、保険診療で検査が受けられます。

保険診療となった場合の費用相場は、約1,500〜2,000円(3割負担)です。自由診療の場合は約5,000〜6,000円が相場だといわれていますが、医療機関によって大きく異なる場合もあるため、事前に確認しておきましょう。

胃カメラの重要性

胃カメラは、痛い・苦しいなどのマイナスなイメージが強く、費用もそれほど安くないことから、できれば受けたくないと思っている方も多いかもしれません。しかし、胃カメラは胃がんの早期発見や胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍の診断、萎縮性胃炎という胃粘膜の慢性的な炎症で起こる病気などの診断に欠かせない検査です。

すでに症状がある場合はもちろん、まったく症状がない場合でも、胃の中を見てみるとピロリ菌の感染やポリープなどの異常を発見できる可能性があります。特に胃がんは進行するまで症状が現れず、症状が出た時には手遅れになってしまうこともあるため、定期的に胃カメラを受けるようにしましょう。

胃カメラを受けるべき症状

胃カメラは自覚症状がなくても定期的に受けておくべき検査です。しかし、以下のような症状がある場合は、定期健診の時期を待たず、早急に医療機関を受診して検査を受けましょう。

  • 吐き気やムカつき、食欲不振が続いている
  • 飲み込みにくさや胸がつかえる感じがある
  • みぞおちのあたりに痛みや不快感を覚えることがある
  • 急に吐血や下血することがある
  • 血便や黒い便が出る
  • 健康診断で精密検査が必要だといわれた
  • 体重の減少が止まらない
  • 貧血や倦怠感がある

上記のような症状がある場合は、胃の中で何らかの異常が起こっている可能性があります。吐血や下血がある場合は、胃に穴があいている可能性があるため、すぐに受診してください。これらの症状がなくても、40歳以上で3年以上胃カメラを受けていない場合は、なるべく早めに検査を受けることをおすすめします。

胃カメラの費用負担を減らす方法

胃カメラは検査自体の費用のほかにさまざまな費用が追加される可能性があるため、できるだけ負担を減らしたいと思っている方もいるのではないでしょうか。ここでは、胃カメラの費用負担を減らす方法を紹介します。

自治体が実施している健診を利用する

お住まいの自治体が実施している胃がん検診を利用すると、胃カメラの費用負担を減らすことができます。多くの自治体で40歳以上を対象に1年に1回の胃X線検査のみを行っていますが、50歳以上になると胃カメラ(胃内視鏡検査)を2年に1回の間隔で受けられます。自治体が実施する胃がん検診の費用相場は、約1,000円です。自由診療で検査を受けるのと比べるとかなり費用が抑えられるため、積極的に利用しましょう。

なお、職場の健康診断でも胃カメラの費用を一部会社が負担してくれる場合もあります。自治体の胃がん検診に行く時間が取れない場合などは、お勤めの会社に確認してみることをおすすめします。

保険診療で検査を受ける

胃カメラは人間ドックなどの自由診療で受けると費用が高額になるため、できるだけ保険診療で受けた方が費用の負担が少なくて済みます。ただし、保険診療で検査を受けるには、医師に胃カメラを受ける必要があると判断されなければいけません。

例えば、腹痛やムカつき、吐き気などの症状があり、胃炎の疑いがある場合、胃潰瘍や胃がんが疑われる症状がある場合などは保険が適用されます。また、胃がんにかかるリスクが高い場合やがん検診で精密検査が必要だといわれた場合なども、保険診療の対象となります。

経鼻内視鏡を選択する

胃カメラの検査方法には、『経口内視鏡』と『経鼻内視鏡』の2種類があり、保険診療であればどちらも基本的な費用に違いはありません。しかし、経口内視鏡は痛みや不快感が強いため、最近では鎮静剤の使用を推奨する医療機関も増えています。

医療機関によって異なりますが、鎮静剤の使用には追加料金がかかるところも多く、その分の費用負担が発生する場合もあるため、痛みや不快感が少なく鎮静剤を使用する必要のない経鼻内視鏡を選択すれば、費用を抑えられる可能性があります。検査方法による費用の違いや鎮静剤の具体的な費用については、事前に確認しておくと安心です。

医療費控除の対象になるか確認する

医療費控除とは、1年間に支払った医療費の合計が10万円を超えた場合に受けられる所得控除です。自分自身だけでなく、扶養している家族の医療費も対象となり、確定申告をすることによって控除が受けられ、還付金として戻ってくるため、医療費の負担軽減につながります。

医療費控除は病気や怪我の治療を目的とした通院や検査、入院などを対象としているため、健康診断や人間ドックで行った胃カメラは対象となりません。しかし、検査で病気が判明してそのまま治療を続ける場合は、治療だけでなく検査費用も控除の対象となります。年間の医療費が10万円以上になる可能性がある場合は、必ず医療機関の領収書を保管しておきましょう。

胃カメラ検査の流れ

ここからは、胃カメラ検査の流れを確認していきます。

検査前

午前中に検査を行う場合は検査前日の夜9時以降、午後の場合は検査6時間前から絶食となります。常用薬は種類によって休薬が必要となるものもあるため、事前に医師と相談しておきましょう。

検査当日

来院後は受付を済ませ、検査室で胃の中の泡を消す消泡剤を服用します。鎮静剤の投与など、必要な処置を済ませたら検査を行います。検査は何もなければ約5分で終了です。ただし、詳細な観察や検査が必要な場合は、検査時間が長引く可能性もあります。

検査終了後

検査終了後は、検査の結果説明を聞いたら帰宅できます。麻酔の効果が切れて嚥下反射が正常に戻るまで、約1時間は食事を控えてください。

胃カメラ検査を受けるクリニックの選び方

胃カメラは、検査を受けるクリニックがどれだけ痛みや苦痛を取り除く工夫をしているかで、検査の受けやすさが違ってきます。ここでは、胃カメラ検査を受けるクリニックの選び方を紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

検査方法を選べる

胃カメラ検査を受けるクリニックを選ぶときは、『経口』と『経鼻』のどちらの方法で検査を行うか選べるところがおすすめです。経口と経鼻にはそれぞれ特徴があり、人によって向いている方法が異なるため、医師と相談のうえ自分に合った方法で検査を受けましょう。

日本消化器内視鏡学会認定内視鏡専門医が在籍している

胃カメラ検査を受ける際にまず確認しておきたいのが、『日本消化器内視鏡学会認定内視鏡専門医』が在籍しているかどうかです。胃カメラは経験が豊富な医師が検査を行えば、まったく痛みや苦痛がなくなるわけではありませんが、内視鏡専門医であれば一定水準以上のスキルをもっているため、痛みや苦痛をできるだけ少なくすることができます。

鎮静剤の使用を選択できる

どのような患者さんの希望にも添えるよう、鎮静剤を使用するかしないかを選択できるクリニックで検査を受けるのがおすすめです。

胃カメラ検査で感じる痛みや苦痛は人によって異なります。鎮静剤なしでの検査はつらすぎると感じる方もいれば、鎮静剤の使用に抵抗があり、できれば使いたくないという方もいるかもしれません。近年、鎮静剤の使用が当たり前になってきていますが、むしろ鎮静剤を使用しない選択ができるクリニックの方が技術力が高い可能性もあるため、必要に応じて適切に対処してくれるようなクリニックを選ぶとよいでしょう。

自治体の健診に参加している

医療機関が自治体の健診に参加するためには、使用する機器や技術面、研修・講習の参加歴などのさまざまな条件をクリアしている必要があります。つまり自治体の健診に参加している医療機関は、常に第三者によるチェックを受けていることになるため、安心して検査が受けられるといえるでしょう。

最新の設備を備えている

最新の設備を備えているクリニックは、常に患者さんに良質な胃カメラ検査を提供するための投資を怠っていないと考えられます。医療機器メーカーが最上位機器を開発するのにかかるであろう、約5年の間隔で機器を変えているようであれば、常に最新の機器を導入している信頼できるクリニックだといえるでしょう。

まとめ

胃カメラの費用は、保険診療の有無や使用する薬剤、追加した検査の数や種類などによって変わってくるため、人によって大きく異なる可能性があります。場合によっては高額になることもありますが、胃カメラは胃がんや胃炎、胃潰瘍などの病気の早期発見に必要となるため、今回紹介した費用負担を減らす方法を参考に、日頃から定期的に受けておきましょう。

東長崎駅前内科クリニックでは、日本消化器病学会専門医・日本内視鏡学会専門医の資格をもつ院長が、患者様の負担が少ない丁寧な胃カメラ検査を行っております。麻酔の選択や最新機器の導入など、できる限り患者様のご希望に沿った検査が行えるよう努めておりますので、胃カメラを検討されている方はぜひ一度東長崎駅前内科クリニックまでご相談ください。

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