【予約に関するお問い合わせ】外来・内視鏡・健康診断などの予約はweb予約が便利です。
【お電話でのお問い合わせをする前にご確認ください】よくある質問を見て疑問が解決しないか確認する。
目次
「大腸カメラの前日の食事は何を食べればいいの?」「食べてはいけないものって何?」このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査)を受ける際、前日の食事が大腸内に残ってしまうと、病気が発見しきれなくなる可能性もあるため注意が必要です。
この記事では、大腸カメラで前日の食事が重要な理由や飲食してよいもの、控えるもの、食事のポイントなどを紹介します。最後に大腸カメラ前々日からの具体的な食事例と検査後の食事の注意点も紹介しますので、大腸カメラを検討している方やこれから受ける予定のある方はぜひご覧ください。
大腸カメラ(大腸内視鏡検査・下部消化管内視鏡検査)は、先端に小型のカメラがついたスコープを肛門から挿入し、大腸内を観察してポリープや炎症、がんなどの病変がないか確認する検査です。
検査を受ける際は、下剤を服用して大腸内をきれいな状態にする必要があります。しかし、前日の食事内容によっては、下剤を飲んでも食べ物が大腸内に残ってしまうことも。
そのような状態では、便が残っている部分が死角となってしまったり、スコープのレンズが汚れたりして、しっかり観察できなくなってしまいます。また、大量の便が残った状態では、スコープの挿入や観察ができず、検査が受けられない可能性もあるでしょう。
そのような場合、改めて大腸カメラの予約を取って検査をやり直さなければならなくなってしまいます。特に繊維質の多い食べ物は、大腸を通過するときに大腸内にへばりついて検査中に視界を妨げる原因となるため、前日の食事で食べるものをきちんと選ぶことが非常に重要です。
大腸カメラ前日は、21時以降は水やお茶以外のものを口にできません。また、前日の食事の基本は、食物繊維の少ないものを食べる『低残渣食(ていざんさしょく)』や『易消化食(いしょうかしょく)』になります。
低残渣食や易消化食とは、消化の際に胃腸への負担が少ない食事のことで、不溶性食物繊維や脂肪が少なく、煮る、茹でる、蒸すなどの調理方法で作られていて、香辛料や塩、砂糖の使用も控えて作られたものです。
では、食事を作る際は具体的にどのような食べ物を選べばよいのでしょうか。ここでは、大腸カメラの前日に飲食してよいものを紹介します。
ご飯類で食べてもよいものは、白米やおかゆです。大腸カメラの前日に推奨される低残渣食や易消化食は、不溶性食物繊維以外の炭水化物とタンパク質を主体とした食事です。
そのため、普段は雑穀米や玄米を食べている方も、検査の前日はやわらかめに炊いた白米、海苔や薬味、具材などの入っていないおかゆを食べるようにしましょう。なお、佃煮や漬物などの味の濃いものを一緒に食べないように注意してください。
主食として普段から食べている方も多いパン類も、種類を選べば大腸カメラの前日の食事で食べることが可能です。例えば、バターやジャムなどをつけていない食パンやロールパン、具なしの蒸しパン、フランスパン、ベーグルなどは食べても構いません。
ただし、サンドイッチの場合は、具材を選ぶ必要があります。卵やツナ、ハムであれば食べても大丈夫ですが、レタスやキュウリ、トマトなどの野菜は入れないようにしましょう。
麺類も主食としてよく食べられている食べ物です。大腸カメラの前日の食事に麺類を選ぶときは、やわらかく煮込んだ素うどんや卵を落とした月見うどん、そうめんなどがよいでしょう。ただし、ネギなどの薬味や具材を入れたり、過度に熱くしたり冷たくしたりしないように調理することが大切です。
大腸カメラの前日でも、種類を選べば肉類を食べることが可能です。例えば、鶏のささみや皮を剥いだむね肉、もも肉が代表的ですが、豚肉や牛肉でもヒレ肉やもも肉、肩肉などの脂肪の少ない赤身肉であれば食べてもよいでしょう。
脂肪の多い部位の肉類は、検査2〜3日前までに食べるようにして検査前日は控えるのが基本ですが、便秘の方はそれより前から控える必要があるため、医師とよく相談することをおすすめします。
大腸カメラの前日の食事に魚介類を取り入れたい場合は、焼いたり蒸したりしたタラやタイ、カレイ、ヒラメ、鮭などの淡白な白身魚やちくわ、かまぼこ、はんぺん、魚肉ソーセージなどがおすすめです。
他には、鮭フレーク、白身やマグロの赤身などであれば刺身も食べても大丈夫です。
基本的に野菜類は食べない方が無難ですが、大腸カメラの前日の食事に取り入れたいのであれば、ジャガイモや長芋、カボチャ、ニンジンといった限られたものだけにしてください。できるだけ油を使わないよう、茹でたり蒸したりして調理することをおすすめします。
果物も野菜と同様、熟したバナナや皮を剥いたリンゴであれば、食後のデザートとして食べてもよいでしょう。
その他、普段口にする機会の多いもので、大腸検査の前日に食べてもよいものは、以下の通りです。
油が少なく、余計な具を入れていないものであれば、意外といろいろなものを食べることができます。調理に油を使いたいという場合もあるかもしれません。そのようなときは、オリーブオイルかマヨネーズを少量だけなら使ってもよいでしょう。
大腸カメラの検査前に服用する下剤は、体内で吸収されることなくすべて排出されてしまうため、脱水を防ぐために前日・当日ともに積極的に水分を摂ることが大切ですが、内容には注意しなければいけません。
以下は、大腸カメラ前日に飲んでもよい飲み物の例です。
基本的に水や麦茶、ほうじ茶などを飲むのがおすすめですが、炭酸飲料、果肉や粒の入っていないジュースなども飲むことができます。緑茶や紅茶、ウーロン茶、コーヒーも飲んでも構いません。ただし、利尿作用があるため、飲み過ぎには注意が必要です。
また、砂糖を入れても大丈夫ですが、ミルクやレモンを入れずに飲むようにしましょう。牛乳は飲まないように指示される場合と、低脂肪乳であれば飲んでもよいとされる場合があり、クリニックによって異なります。普段牛乳をよく飲む方は、事前に医師に相談し、指示に従うようにしましょう。
クリニックによっては、検査用に特殊な加工が施された検査用の食事を食べるよう勧められる場合もありますが、そうでない場合は患者さん自身で食事をきちんと管理しなければいけません。
大腸カメラの前日は、基本的に消化の悪い食べ物や脂っこい食べ物は控えることが大切です。これから紹介する食べ物を控えることで、下剤によってより早く大腸内をきれいにできるため、結果的に患者さんの負担が軽減されます。
ここでは、大腸カメラの前日に控えるべきものを紹介します。
普段は大腸内の健康のために積極的に摂取しておくべき食物繊維ですが、少量であっても消化されずに大腸内に残ってしまう可能性があるため、大腸カメラの前日は食べるのを控える必要があります。
例えば、納豆や枝豆、大豆、小豆などの豆類、胚芽米や発芽玄米、雑穀類、ソバや胚芽パン、野菜類全般や皮を含む果物などです。野菜類の中では、特に根菜や葉物、種のあるもの、具体的にはゴボウやレンコン、セロリ、たけのこなどが挙げられます。果物ではいちごやキウイ、スイカ、メロン、柑橘類は徹底的に控えるようにしましょう。
海藻類も大腸カメラの前日に食べてはいけないものの代表です。昆布や海苔、ワカメ、めかぶ、ひじきなどを普段の食事に取り入れている方も多いかもしれませんが、海藻類も食物繊維が豊富で消化されにくいため食べてはいけません。海藻が加工されているところてんや海苔の佃煮などにも注意して食事を摂る必要があります。
また、海のものでは噛みごたえがありよく噛まないまま飲み込んでしまうことの多いイカやタコ、貝類なども消化に悪いため控えるようにしましょう。
ゴマなどの種子類やアーモンドなどのナッツ類も、消化されずに大腸内に残ってしまう恐れがあります。果物に含まれる種も胃で消化されずに大腸まで到達してしまうため、大腸カメラの前日の食事では果物自体を控えることも大切です。
食物繊維が豊富な食べ物以外には、脂肪分を多く含む食べ物も胃の中に滞留する時間が長く、消化に時間がかかってしまうため注意が必要です。例えば、脂肪分の多い豚バラやサシの入った牛肉、肉やソーセージ、ベーコンなどの加工肉、鶏皮、脂肪分の多いサーモンや赤身以外のマグロ、サバ缶などは控えるようにしてください。
また、とんかつや天ぷら、唐揚げなどの揚げ物や焼肉はもちろん、豆腐であってもがんもどきや油揚げ、厚揚げなども食べてはいけません。生クリームを使用した洋菓子やチョコレート、ドーナツなども脂肪分が多いため、控えるべき食べ物に含まれます。
ビールやウイスキー、日本酒などに含まれるアルコールには腸を活発にする働きや血管を拡張する作用があり、検査中に出血しやすくなってしまうため、大腸カメラ前日は控えましょう。日常的にお酒を飲んでいる方もいるかもしれませんが、少量のアルコールでも検査の結果に影響してしまうだけでなく、検査自体が行えなくなってしまう可能性もあります。検査をスムーズに行うためにも、大腸カメラの前日はアルコールを決して摂らないようにしてください。
大腸カメラの前日の食事は、消化がよく胃の負担が少ない食べ物を選ぶことに加え、調理や食べ方にも注意しましょう。以下は、消化によい食事のポイントです。
消化をよくするためには、食材をできるだけ細かく切り、できれば生の状態は避けて茹でたり煮たりなど、油を使わない方法で加熱調理します。味付けは薄味を心がけ、冷たすぎず熱すぎない体温程度の適温の状態で食べるようにしましょう。また、消化酵素を含む唾液が分泌されるよう、よく噛んで食べることも大切です。いくら消化によいものでも、食べすぎてしまうと消化に時間がかかってしまうため、食べすぎないようにしましょう。
食べ物によっては、検査の前日に控えるだけでは消化しきれないものもあるため、しっかりと検査を行うためには、前々日くらいから食事に注意して過ごすのがおすすめです。ここでは、大腸カメラの前にどのような食事を摂ればよいのか、具体的な食事を1例ずつ紹介します。
大腸カメラ前々日は、脂肪分が多く油っぽい食事、食物繊維の多い食べ物、肉の筋や魚の皮などは控えます。アルコールやカフェインもできるだけ摂取しないように気をつけましょう。
● 朝食:ロールパン・スクランブルエッグ・魚肉ソーセージ・粒の入っていないオレンジジュース
● 昼食:梅のおにぎり・白身魚のホイル焼き・お麩入りのすまし汁
● 間食:クラッカー
● 夕食:白米・豚しゃぶ・ジャガイモの味噌汁
検査前日は食物繊維や脂肪分を摂取しないよう、前々日よりもさらに注意が必要です。夕食は19〜21時頃まで食べられることが多いですが、検査を受ける医療機関によって異なります。守らなかった場合、検査が受けられなくなる可能性もあるためきちんと指示に従いましょう。
● 朝食:やわらかく炊いた白米・皮を取った焼き鮭・豆腐の味噌汁
● 昼食:素うどん・卵豆腐
● 間食:プリン
● 夕食:梅干しや鯛味噌を乗せた白かゆ・具なしの味噌汁
大腸カメラ当日は、検査を終えるまで食事をしてはいけません。お水やお茶などの透明もしくは色の薄い飲み物は飲んでも構いませんが、色の濃いジュースやコーヒー、牛乳などは控えるようにしましょう。
大腸カメラの検査後は、お腹が空っぽの状態になっているため、急に消化の悪いものを食べると胃腸に過度の負担がかかって腹痛や下痢、便秘、お腹の張りなどが起こることがあります。特に検査中にポリープが発見されて切除を行った場合は、1〜2週間程度の食事制限が必要です。
検査前と同じように消化のよい食事を心がけ、辛いものや過度のアルコール摂取、チョコレートなどの消化に影響を及ぼす食べ物の摂取は控えるようにしてください。大きいポリープを切除した場合は、流動食から徐々に通常食へ戻すよう指示される場合があります。
大腸カメラの前日の食事制限は、検査をスムーズに進めたり病変の見落としを防いだりするために重要です。医療機関から指示された通りに、消化の悪い食物繊維が豊富な食べ物や脂肪分の多い食べ物、冷たすぎたり熱すぎたりする食べ物は避け、消化によいものをよく噛んで食べすぎない程度に食べるようにしましょう。
東長崎駅前内科クリニックでは、忙しくて予約が難しい方も大腸カメラを受けていただけるよう、予約なし・事前診察なしの検査を行っています。当日の状況や来院時間にもよりますが、朝9時までに朝食を摂らずに来院していただければ検査が可能な場合もあるため、当時急に時間ができた方や何度も受診する時間がない方は、ぜひお気軽に東長崎駅前内科クリニックまでご相談ください。