【発疹】
発疹とは皮膚に現れる病変の総称のことであり、その形も原因も多岐にわたります。多くは経過良好のものですが、以下の3つについては注意しておかなければなりません。
①麻疹、風疹
☞ 麻疹
<臨床症状> 微熱を伴う鼻汁や咳嗽といったいわゆる風邪症状が続き、一時的に熱が軽減したのちに高熱と発疹の出現を全身に認めます。
空気感染のため、非常に感染力がつよく、健常者であっても死亡率は0.1-0,2%、脳症の発症率も0.1%と極めて重症化しやすい感染症です。
☞ 風疹
<臨床症状> 年少時では発疹が唯一の症状であることも多いですが、成人などに罹患(病気にかかる事)した場合には、関節痛や耳介後部のリンパ節の腫脹を示すこともあります。
血小板減少性紫斑病や脳炎などの合併症もありますが、妊娠初期に罹患することで胎児に感染してしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や耳や心臓に合併症を起こすことが知られています。
血小板減少性紫斑病や脳炎などの合併症もありますが、妊娠初期に罹患することで胎児に感染してしまうと、生まれてくる赤ちゃんの目や耳や心臓に合併症を起こすことが知られています。
②重症アレルギー(アナフィラキシー、重症薬疹など)
何かを食べたあとや、薬を内服したあとに全身に発疹が広がってくる際は、アレルギーの可能性があります。
咳が出たり、呼吸がゼーゼーしたり、頻回な嘔吐などを伴う場合は、アナフィラキシーである可能性があります。
速やかに救急車を要請して適切な治療を受けましょう。
③川崎病
全身の中血管におこる、原因不明の全身の血管炎で4歳以下の乳幼児に多く、全身にいろいろな症状が出ます。
持続する高熱に伴う全身の不定型発疹が特徴ですが、両側の眼球結膜の充血、真っ赤な唇と苺のようにブツブツの舌、体の発赤疹、手足の腫れ、首のリンパ節の腫れなどがみられます。
川崎病が疑われた場合には心臓の冠動脈への後遺症を残さないために、適切な治療が必要になります。
すぐに医療機関を受診していただく方がよいでしょう。
④その他
発疹をきたす病気は多岐にわたります。
症状が続いている場合には、一度小児科を受診することをお勧めします。