補聴器外来
とは

聞こえのセルフチェックで一つでも該当する項目があった方や、自分の聴力に不安のある方、または、補聴器を試してみたいと思う方は耳鼻咽喉科を受診してください。

年のせいで耳が遠くなったから補聴器を使ってみようかな…と思った時、買うなら補聴器を売っているお店に行けばよいと思っている方も少なくないと思います。通販で手軽に買えるから親御さんに買ってあげようかな…と思っているご家族もいらっしゃると思います。
ですが、まずは聞こえにくさがどのような原因で起こっているかを調べることが重要です。難聴を起こす病気は、耳垢、中耳炎、突発性難聴、耳硬化症、メニエール病…等々、加齢性の難聴ばかりではないので、原因となる病気の治療が必要なこともあります。さらに、高齢者では、症状は難聴とめまいだけなのに、脳の下部にある脳を支える部分の血管が閉塞する「脳幹梗塞」という病気が潜んでいることさえあります。

→難聴を起こす病気についてはこちら

補聴器外来では、まず、医師による問診で聞こえに対する
不自由さなどのお話を伺い、鼓膜の様子など
耳の中を見させていただきます。

聴力検査で聴力がどの程度落ちているのか、どの部位の異常による難聴か(伝音性難聴か感音性難聴か)を調べたうえで、聴力に左右差があるか、聞こえ方はどうか(高い音だけ聞こえないのか、それとも全体的に聞こえないのか)を検査します。それらの結果と語音検査(言葉の聞き取りの検査)の結果、また普段の生活の様子(仕事をしているか、家にいるか、賑やかなところによく行くかなど)を伺って、補聴器の必要性を医師が判断します。

医師が補聴器の必要性を認め、補聴器の調整を行います。

医師が補聴器の必要性を認め、ご本人に補聴器を試してみる希望があれば、不快レベルの検査(どのくらいの大きさの音になると不快を感じるか)を受け、これらの結果を見たうえで、医師と認定補聴器技能者が相談して、試用する補聴器の調整を行います。

調整した補聴器を2~4週間貸し出して
補聴器の効果を評価します。

調整した補聴器を2~4週間貸し出して、使ってみた様子をアンケートに記入して再受診していただきます。その結果と音場検査(スピーカーで補聴器を装用した時と装用しないときの聞こえや語音を比べて比較する)で補聴器の効果を評価します。効果が得られていれば、使ってみて不都合だったこと(ハウリング、ある音が異様に響くかなど)を伺って、補聴器の再調整を行ったり、貸し出す機種を変えてみたりします。また、補聴器を装用する耳を変えてみることもあります。変更した場合は、再度効果を検査して借り受け、再検査をする、という過程を使い心地がよくなるまで繰り返します。

補聴器は買ったその日から具合よく使えるわけではなく、一人ひとりに合うように調整を繰り返すことが快適な使用につながるものです。このように補聴器の調整には手間がかかるので、通販などで買った補聴器が、調整しないでぴったり合う人は少ないと思います。
また、補聴器は決して安価なものではありません。量販店で購入したけれど調子が悪くて使わないという話も聞きます。

補聴器を試してみてどうしても納得できない場合は、購入しなくてもいいのです。
ですから、補聴器の購入をお考えの方は、ぜひ、耳鼻咽喉科の補聴器外来を
受診してほしいと思います。

→次は【難聴を起こす病気について】

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