補聴器
を考えている方へ
最近、家族との話で行き違いがあったり、テレビのボリュームが大きいと言われたりすることはありませんか?
音の聞こえに何らかの問題が生じると、小さい音が聞こえにくいだけでなく、音自体は聞こえていても、はっきり聞き分けることが難しくなることがあります。
例えば、「さとうさん」か「かとうさん」か、はっきり聞き分けられなかったりするのです。加齢から来る難聴はゆっくり進行し、ご自身では気づきにくいのが特徴です。
最近耳が遠くなったかも…
と感じている方は、次のようなことがないかチェックしてみましょう。
- 日常会話で相手の言葉がよく聞きとれず、聞き返してばかりいないか?
- 何人かで話している時、本当は聞こえていないのに空返事や愛想笑いでごまかすことがないか?
- 相手の話が聞きとれるか心配で、大事な話を一人でするのに不安を感じていないか?
- 病院などで自分の名前を呼ばれても、気づかないことがないか?
- 歩いていて、突然現れた車や自転車に驚いたことがないか
(近づいてくる物に気づかない) - テレビの音量が大きいと家族に言われていないか?
ご家族の聞こえについて心配な方は、
次のようなことを感じていないかチェックしてみましょう。
- 周囲に人が大勢いる騒がしい環境では会話の内容を、理解するのが難しいようだ
- テレビやラジオをうるさいくらいの音量で見たり聞いたりしている
- 電話の呼び出し音やドアのチャイムが聞こえていないようだ
- 早口の人やボソボソした声の人との会話はしづらいようだ
- 顔を合わせて会話しないと理解できないようだ
- 音がどの方向から聞こえているのか分からないようだ
- 留守中に電話を受けてくれたものの内容がはっきりしないようだ
加齢性難聴とは…
音をはっきりと聞き取ることは、外から入ってきた音が、鼓膜、耳小骨(音を伝える骨)、内耳にある飼牛(かぎゅう)内の有毛細胞を振動させて電気信号に変わり、それが正しく脳まで伝わって初めて可能になります。加齢性の難聴は、音を電気信号に変える有毛細胞が年を重ねてダメージを受けたり、減少していくために生じることが原因といわれています。加齢で衰えた音を電気信号に変える機能を補助してくれるのが補聴器です。
そして、年を重ねると60歳くらいから、程度の差はありますが、誰でも聞き取りにくさ(加齢性の難聴)を感じるようになります。この聞き取りにくさを放置しておくと、聞き間違いなどで相手の話を誤解してしまって人間関係がうまくいかなくなったり、徐々に周囲の人たちと話をすることが億劫になってしまったり、社会から孤立するようになってしまう恐れさえあります。
少しでも思い当たることがあれば耳鼻咽喉科を受診し、ご自身の聞こえの検査をすることをお勧めします。
加齢性難聴の特徴
小さな音や高い音が聞き取りにくくなる
キンキンと耳に響く高い音やボソボソとした低い音など、音は周波数によっていろいろあるのは皆さんもご存知だと思います。加齢性の難聴は、全部の周波数の音が一度に聞こえなくなることは少なく、最初は特定の周波数の音が聞こえにくいことから始まります。個人個人によって差はありますが、通常、加齢による難聴は高い周波数の音から聞こえにくくなるので、患者さんの多くは、会話は問題ないけれど体温計のピ、ピという電子が聞こえないことから始まったとおっしゃいます。
聞きたい音だけを聞き取ることがしにくくなる
難聴になると、音を周波数ごとに鮮明に脳へ伝えることが難しくなります。聞きたい音だけを聞き取ることができなくなり、騒音の中での会話が苦手になります。
瞬時に音を理解することができなくなる
実は、音を理解するのは耳ではなく脳です。難聴になると聞こえた音を素早く脳へ伝えることも大変になります。一言、一言ゆっくり話してもらうと理解できるけれど、早口で話されると理解できないということが起こります。