一年を通して辛い通年性アレルギー性鼻炎の患者さんは日本人の4人に1人とも言われています。
そして、通年性のアレルギー性鼻炎を起こす原因としてハウスダストが広く知られていますが、
そのハウスダストの 70~90%がダニということをご存知ですか?
実にハウスダスト1gの中には何万匹ものダニやダニの死骸がいると言われているのです。
ですから、一年を通してアレルギー性鼻炎で困っていらっしゃる患者さんのほとんどがダニに対するアレルギーです。一年中アレルギー症状をお持ちの方には、是非、ダニのアレルギーがあるかどうかを血液を採取して検査してみることをお勧めします。
もし、ダニが原因と分かれば、
アレルギー性鼻炎を根本から治せる
可能性があります。
一般的に行われている抗アレルギー薬の内服や点鼻薬・点眼薬などでの治療は、今出ている症状を抑えたり軽減するための対処療法、患者さんの過剰な免疫反応を根本から治す治療ではありません。
それに対して、舌下免疫療法は患者さんの過剰な免疫反応を根本から治すことが望めるのです。
2015年12月から12歳以上の患者さんが対象の治療として認められていましたが、 2018年2月から12歳未満のお子さんでも行えることになりました。対象年齢は5歳からとなっていますが、実際には毎日錠剤を舌下(舌の裏)に1~2分含んでいなければなりません。なので、おおむね小学校に入学したくらいの患者さんは治療を受けていただけるのではないでしょうか。
アレルギー性鼻炎に対する免疫療法は年齢が低いほど効果が得られやすいとも言われています。一年中うっとうしいアレルギー性鼻炎でお困りのお子さんは、舌下免疫療法を思い切って開始してみてはいかがでしょうか。
ダニや花粉などに対して過剰に反応して、連続してくしゃみが出たり、水のような鼻汁が止まらない病気がアレルギー性鼻炎です。
アレルギー性鼻炎でクリニックを受診すると、出ている症状を緩和する抗アレルギー薬を内服するほか、点鼻薬や点眼薬を症状に合わせて使う対症療法を行うのが通常です。
これに対して、
ダニや花粉に過剰反応する体質そのものを改善する治療が免疫療法です。
免疫療法には二つあり、まず最初に開発されたのが「皮下免疫療法 」で、2~5年間クリニックに毎週通って、アレルギーを起こす原因となる物質の注射液を少しずつ皮下注射し、徐々にアレルギー物質に身体を慣らしていく治療法です。何年にもわたって毎週通院するうえに毎回痛い思いをするということがネックとなります。
二つ目が、後から開発された「舌下免疫療法」で、アレルギー物質の錠剤を舌下 (舌の裏)に含むだけの治療です。注射のように痛みがなく、落ち着けば基本的には月1回クリニックで経過観察を受けながら、家で毎日1錠ずつ口に含むだけなので、歯磨きをするように習慣化できればお子さんでも楽に治療が続けられます。
お子さんがこれからの長い一生で、アレルギー性鼻炎で悩むことなく生活できる可能性がある治療法が「舌下免疫療法」なのです。
舌下免疫療法の効果は、治療期間の長さに関係すると言われています。
ですから舌下免疫療法を長く行えば、それだけ長い期間効くというわけです。
舌の下に置く
1分間保持後、
飲み込む
5分間は、
うがい・飲食を
控える
下記のような反応が出た場合には様子を観察し、症状が長引くようなら翌日受診してください。
ほとんどの場合、何もせずに徐々に治ります。
舌下免疫療法で下記のような副反応の報告はありませんが、絶対起きないと言い 切れません。下記のようなアナフィラキシー症状が出た場合には、ただちに救急車を呼ぶなど迅速な対応が必要です。