2008年10月11日

耳鼻科 西宮

「人工鼻」の実現に手がかり

   

西宮市苦楽園口の耳鼻科、梅岡耳鼻咽喉科クリニックです。
嗅覚受容体を実験室で大量に作り出すことが可能となり、「人工鼻(artificial noses)」の実現にも可能性が出てきたという。
米国科学アカデミー発行の「Proceedings of the National Academy of Sciences(PNAS)」オンライン版に10月7日掲載の論文によると、米マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究グループは、市販の小麦胚芽抽出物をもとに、無細胞合成によって特殊な受容体を作成。その後、いくつかの精製段階を経て、においを検知する蛋白(たんぱく)を単離することに成功した。この技術によって、嗅覚受容体を短時間で大量に産生できるようになり、嗅覚がどう働き、なぜ多くの異なるにおいを感知できるのかという嗅覚の謎の解明につながる可能性がある。
「嗅覚の研究で大きな障壁となっていたのは、十分な量の受容体を作れず、またそれを均質に精製できなかったことである。今回ようやく受容体が原料としていつでも利用できるようになったことで、嗅覚に関する多くの新しい研究が可能になるだろう」と、この研究に基づいてMITの博士論文審査を受けたばかりのBrian Cook氏は述べている。研究チームによると、人工鼻を作ることによって、最終的には麻薬・爆発物探知犬に代わるものができるほか、医学的にも利用できる可能性があるという。

ヒトは400個に近い機能遺伝子を含めた広大な嗅覚系をもっており、多様な受容体によって何万種類ものにおいを嗅ぎ分けることができる。論文の著者であるLiselotte Kaiser氏によると、嗅覚研究の鍵となる蛋白を単離することは困難とされていたが、数年かかってMITのチームは、疎水性洗剤溶液の利用により蛋白の構造および機能を維持したまま単離、精製することに成功した。今後は、多数のにおいを特定できる携帯型のマイクロ流体装置の開発に取り組む予定だという。
(2008年9月30日/HealthDayNews)
 においの神経は、眉間の間くらいにある嗅裂に受容体が存在し、そこの嗅粘膜を介して、においとして検知するための信号が脳へとおくられます。においの働きがわるくなるのは、多くは副鼻腔炎(いわゆる蓄のう症)や風邪のあとに生じることが多く、急性期であれば内服薬や点鼻薬で多くは改善します。ただ一度働きが落ちると回復がむすかしいこともありにおいの感じる神経の解明が鍵でした。
 嗅覚受容体遺伝子はヒトでおよそ350種類が存在しており、一種類の匂い受容体も、複数の匂い分子に様々な親和性で結合するといわれております。この対応関係により、数十万種類におよぶ匂い分子を嗅ぎ分けることができると考えられています。
 今回の発見で受容体を用いて、上記理論の裏付けとそれら個々の受容体の働きの詳細が明らかになれば、人口鼻への大きな第一歩を踏み出したものといえるでしょう。
西宮市苦楽園口の耳鼻科 梅岡耳鼻咽喉科クリニック
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医療法人梅華会グループ理事長
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