2010年8月6日

中耳炎 西宮

手術せずに鼓膜を再生、幹細胞活用し新治療法【中耳炎】

   

西宮市苦楽園口の耳鼻科、梅岡耳鼻咽喉科クリニックです。
慢性中耳炎やけがで破れた鼓膜を、手術せずに再生させる新たな治療法を、京都大と北野病院(大阪市北区)のグループが開発した。
 外来で約10分の処置で済み、完治までの期間も約3週間と短いのが特長。患者53人のうち52人の鼓膜が完全に再生した。東京都で6日開かれる日本炎症・再生医学会で発表する。
 鼓膜の修復手術を受ける患者は年間数万人とされる。現在は、耳の後ろの皮下組織や筋肉を包む膜を切り取って移植する方法が主流だが、手術後の鼓膜の構造が元に戻らないなどの課題もある。グループは、破れてできた鼓膜の穴の周りをメスでわずかに傷つけた後、細胞増殖を促す物質を染み込ませたゼラチン製のスポンジを詰め、生体接着剤を数滴振りかけるという方法を開発した。
 北野病院の金丸眞一医師によると、メスによる傷で穴の周りに存在する鼓膜の細胞を作る組織幹細胞が刺激を受け、穴をふさごうとする力を利用。ゼラチンスポンジ内の細胞増殖物質を栄養にして、成長するとみられる。スポンジの大半は体内で分解され、残りは完治後に取り除く。
 金丸医師らが京都市伏見区の金井病院で2007年から09年にかけ、85~10歳の53人を治療し、やけどで鼓膜が破れた1人以外は全員完治。補聴器をしていた12人のうち、10人が補聴器を外せるほど改善。元通りの鼓膜に再生したことも確認できた。やけど患者は、幹細胞が破壊されたため再生しなかったらしい。
 治療費は自由診療のため約50万円かかるが、5年以内の保険適用を目指す。金丸医師は「手術や全身麻酔のリスクが高いため、鼓膜に穴が開いても修復できなかった心臓や糖尿病の患者、高齢者にとっても有望な治療法だろう」と話している。治療の問い合わせは、金井病院(075・631・1215)へ。

(2010年8月5日18時28分 読売新聞)
 鼓膜は非常に薄い幕ですが、音を脳に伝える上では、非常に重要な役割を
果たしています。
 鼓膜に穴があいてしまうと、太鼓の”ばち”に穴があいているのと同じで
音が大きく響きません。響かないとそれだけ脳への情報伝達が阻害される
ことになります。
 50年ほど前は、抗生物質の耐性菌の問題や、医療環境が整っていなかったりして、中耳炎から、鼓膜の穴があいた状態になってしまうケースが多かったのですが、最近では、スポーツでの接触、平手打ち外傷で穴があいてしまうケースがあります。
 以前は耳の後ろからの筋膜を採取しての手術がスタンダードですが、組織幹細胞という万能細胞で鼓膜までも再生可能となった由、治癒率たかく、非常に期待できる治療法ですね。
 ただ、先進医療だと保険適応の問題が必ずついて来ますので、あまねく普及するためにはそのあたりもポイントとなるかと思います。
西宮市苦楽園口の耳鼻科 梅岡耳鼻咽喉科クリニック
医院ホームページ:http://www.umeoka-cl.com/
梅岡耳鼻科 レーザー治療専門サイト:http://www.umeokaentclinic.com/
住所:兵庫県西宮市樋之池町22-2
TEL:0798-70-3341
最寄り駅:阪急甲陽線 苦楽園口駅

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